512:LX[saga sage]
2012/02/05(日) 20:41:04.23 ID:wkzQzq6H0
翌日。
当麻が去った御坂家。
旅掛と美鈴が話し合っている。ちなみに美琴はまだ起きて来ていない。
ぶっ倒れてしまった上条当麻を客間に寝かしつけた後、親娘3人で再び宴会が始まり、今度こそ美琴もつぶれてしまったのであった。
「ねぇ貴方、あの子の就職先、なんかいいところ知らないの?」
「むぅ……思い当たる先がないわけではない。なんせ、わしは『足らないものを示す男』なんだからな。それくらいなくてどうする?」
「さすがー。でもなんで教えてあげなかったの? 今日だって二日酔いなのに、帰って就職活動しなきゃって言って帰っちゃったし」
美琴ちゃんが知ったら怒るわよー、と美鈴がため息をつく。
「紹介するのは簡単だが、それじゃ彼のためにならんだろう? それに恐らく彼はまだ自分で見つけたいと思っているようだしな。
まぁ、就職先まで我々に斡旋してもらったのでは、彼の沽券に関わるだろうしな」
「ふーん、そんなものかしら……?」
「頑固だぞ、あの男。昨日でわかっただろう? 美琴の世話にはなりたくない、自分で仕事を見つけて、ちゃんと生活の目処が立つまでそれまでは結婚しないと言い切った。
……まぁ、あそこでホイホイ美琴のヒモになります、なんぞ言う男だったらたたき出しておったがな」
「彼はそんなこと言う男の子じゃないわよ、絶対」
「だろう? 調べた通りの男だったよ……。
調べたと言えばな、まぁ、彼の人脈は空恐ろしいものなんだよ。10代の若さで、よくもまぁあれだけ作り上げたものだ。
まだ自分ではその存在、というかその、重要さに全く気づいておらんのが惜しいところだな。あれも才能の一つだよ。
……学園都市の連中も馬鹿じゃあるまい。ま、わしが何かせんでも、恐らく向こうから接触してくるとは思うのだがな」
「あら、そうなの? だったら大丈夫、ってこと?」
「まぁな。その点はあまり気にしなくとも大丈夫だと、正直わしは思ってる。ただ、問題がないわけじゃない」
「あら、何が問題?」
「みんな女性がらみだ、ということなんだよ。まぁ彼のことだから大丈夫だとは思うが」
美琴が耐えられるかどうか、と旅掛は天井を見上げる。まだ2階から美琴は下りてこない。
「何よそれ? まるで誰かさんみたいだけど?」
美鈴がふーん、と横目でにらむ。
「おいおい、それはまさか、わしの事じゃないだろうな?」
「どうだか」
「わしは関係ないだろう? それよりだ、もう一つある。これはわしらにも大いに関係することなんだがな」
「?」
「知っているだろう? あの子の、妹達<シスターズ>のことだ」
「……そう、よね」
それきり、部屋には沈黙の時が訪れた。
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