536:LX[saga sage]
2012/02/19(日) 20:12:03.69 ID:1l8w7IH90
当麻の一通りの説明の後。
「ふーん。それで、雲川先輩のお話って何だったのよ?」
「ああ。オレに就職先を紹介してくれたんだ」
「へー。スゴイじゃない。なんてとこ? 何する会社?」
「貿易商社。サイエンティフィック・インターナショナル・トレーディングってとこだと」
当麻は雲川芹亜から釘を刺されていた。
曰く、統括理事会直轄の外交委員会に所属することは、他言無用。もちろん美琴にも。しゃべったらその時点でクビだと言われていた。
そして、ダミーとして紹介されたのが、サイエンティフィック・インターナショナル・トレーディングという貿易商社なのであった。
「ふーん。当然調べたわよね?」
「ああ、ネットで検索はしたさ。5年くらい前に出来てるから、わりと新しいところみたいだな。社員は30人弱だから小さいな。
今年は採用は無いみたいで、何も書いてなかったよ。でもまぁ、当たってくだけろ、ですよ」
「あんた、英語大丈夫だっけ?」
「中学校レベルなら大丈夫だぜ?」
「あんたねぇ……中学校の英語が完璧だったら、単語さえ覚えれば日常生活には問題ないレベルなんだけど? ホントに大丈夫なんでしょうね?」
「た、たぶんな。で、今度の土曜日……あ」
「なに? どしたの?」
「被った……ミサカの10039号とツーリングに行くはずだったっけ……」
(また女かい! しかもあの子って、この浮気者! よくもいけしゃぁしゃぁと……)
就職が決まるかも知れない、うふふ、これで結婚への第一歩が……と胸算用を始めていた美琴の胸に再び炎が燃え上がる。
「あんたねぇ、自分の将来がかかってるんだから、そんなの後回しよ? あの子とのツーリングなんか後でも出来るでしょ!?」
「うーん、でもなぁ、先に約束しちまったし……」
「アンタ! 鼎の軽重が問われるような馬鹿なこと言ってるんじゃないの! 何考えてるのよ?」
「だよなぁ……仕方ない。またにしてもらおうな」
「あったり前でしょうが。……まぁ、あの子、泣いちゃうかもしれないけど、きっと次の手を考えるでしょ。(油断も隙もないけどね)
……で、アンタ? 私になんか言うことあるんじゃないのかな?」
ジロリと美琴は当麻をにらみつける。氷の微笑と共に。
「は、はい?」 蛇に睨まれたカエルならぬ、美琴に睨まれた当麻。
その反応を見て(有罪<ギルティ>)の判決を頭で考える美琴。
「く・も・か・わ・先輩がねー、私に、『遊ばせてもらった、礼を言う』って挨拶して下さったんだけれど、アンタ、何して遊んであげたのかな?」
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