56:LX[saga sage]
2011/07/23(土) 20:22:11.30 ID:GbkWnME40
翌日。
「あらあら、当麻さんも美琴さんも、来るなら連絡ぐらい入れてくれると助かるのだけれど?」
上条詩菜が、息子夫婦に向かって困ったような口ぶりで、しかし嬉しそうな顔で軽いお小言を言う。
心なしか寂しそうな顔の一麻と美鈴を残し、御坂家を辞した二人が次に訪れたのはここ、上条家。
上条当麻・美琴の一人娘である麻琴は、ここ上条刀夜・詩菜夫妻、すなわち上条当麻の実家に預けられているのだった。
「ゴメン、母さん。ちょっと急ぎで出てきちゃったから、連絡できなかった」
「申し訳ございません、お義母さま。麻琴の面倒を見て頂いていつも本当に済みません」
二人が深々と頭を下げる。
「あらあら、こちらこそどう致しまして。うふふ、麻琴ちゃん、どんどん可愛くなってるわよ〜?
……当麻さん、まさかあなた、あの子を取り戻しに来たんじゃないでしょうね? そんな恐ろしいことは……」
「母さん、考えすぎだよ。そんな訳無いって。……で、麻琴は?」
「佐天さんのところよ。昨日、佐天さんは出張から戻られたのね。だから、今日はお返しであの子はあっちにお呼ばれ。
……。
……そう言えば、わたしは呼んでくれないのかしら。
……私だって、あんなに利子ちゃんを可愛がってあげてるのに……
……いいえ、そんなはずはないわ」
どす黒いオーラが詩菜の周りに漂い始めたのを見た当麻・美琴夫妻は「「はー……」」と揃ってため息をつくが、自分の世界に
入っている詩菜にはもはや聞こえていない。
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