58:LX[saga sage]
2011/07/23(土) 20:36:35.93 ID:GbkWnME40
次の瞬間、美琴が思い切り当麻の太股をつねった。
(アンタ、肝心なこと言わないでどうすんのよ!)
小さな声で美琴が当麻をしかりつける。
「そ、そうだったな、忘れちゃいけなかった。……母さん、麻琴は元気だよね?」
左足をさすりながら、当麻が母・詩菜に娘の近況を聞こうとした。
「あらあら、そんなこと、これから行けば直ぐにわかるわよ? 私に聞くより、当麻さん自身で見れば?」
あっさりと詩菜にスルーされる当麻。
(ああっ、この役立たずがっ!)
ドンとソファに当麻を押し込め、美琴が口を開く。
「あ、あの、お義母さま、実は、その、うちの母のところの一麻クンが、その……電撃を、飛ばしちゃったもので……」
「あらあら……」
上条詩菜の顔つきが一変した。
「まぁ、当麻の方(幻想殺し<イマジンブレーカー>)じゃなくて良かったわ……、あれは当麻だけで沢山だから」
「確かに。正直ほっとしてるところもあるんだ」
上条当麻の右手に宿る、『幻想殺し<イマジンブレーカー>』
異能の力ならば、例え神の奇跡であろうが悪魔の仕業だろうが、
あるいは超能力でも、例えば妻・美琴の超電磁砲<レールガン>だろうが、
全てを消滅させてしまう学園都市の科学でも解明できない謎の力。
だが、「神の加護も打ち消しているんだよ?」とかつて言われたように、彼には不幸がつきまとった。
不幸中の幸いで、家族が欠けるような恐ろしいことは今まではなかったが。
母・詩菜が言ったのは、彼の「不幸」が、彼の息子であり彼女の孫でもある御坂一麻、その子には受け継がれていないことに対する
安堵からであった。
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