66:LX[saga sage]
2011/07/24(日) 20:27:54.79 ID:oXRuuFI20
「利子、テーブルにこれ並べてちょうだい!」
母・涙子から渡された、山盛りの大きな皿を落とさないように、真剣な面持ちで運ぶ利子。
「利子ちゃん、おばちゃん手伝おうか?」
美琴が声をかける。
しかし、顔を真っ赤にして皿を運ぶ利子は「ううん」と首を左右にふる。
皿をテーブルに置くと、「重かった〜」とパタパタと手を振る。
「あのね、詩菜おばちゃん家だとね、マコちゃんが全部やるの。……だからね、ここはね、あたしが全部やるの」
まじめな顔で、美琴に、ここは自分のテリトリーであることを伝える利子。
「そっかー、ここは利子ちゃんのおうちだもんね? だから利子ちゃんが頑張るのね?」
美琴がそういうと、「うん」と彼女は少し誇らしげに頷いた。
(すごいわねー、もう自分の城だって認識しているのね……)と感嘆する美琴であった。
それから少し後。
「「「「いただきま〜す!」」」」
「どうぞ、たんと召し上がれ〜!」
佐天涙子・利子親娘、上条詩菜・当麻・美琴・麻琴の6人が食卓を囲む。にぎやかな食卓。
その中で、一人考え込むのは当麻。
(昨日はともかく、一麻も、こういう食卓を囲んだことがどれだけあっただろうか……すまん、一麻。
学園都市に来たら、せめてあいつと3人で一緒に食事をすることぐらいはしてやらないと……オレは、あの子の父親なんだ)
息子、一麻のことを思うと、いたたまれない気になっている上条当麻であった。
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