65:LX[saga sage]
2011/07/24(日) 20:22:59.85 ID:oXRuuFI20
「いいんですよ? 麻琴ちゃんも久しぶりにご両親に会えたんでしょ? 利子がやりますから、どうぞ座ってて下さいな?」
キッチンで奮闘する佐天涙子が上条当麻に声をかける。
「悪いわね、佐天さん。あたし、何か手伝おうか? そ、その……料理は佐天さんにまかせるとして……」
手持ちぶさたな美琴が佐天に話しかけると、
「あはは、何言ってるんですか? 上条さんにそんなことさせたら、この佐天涙子のおんながすたりますって! お任せ下さいな!」
笑い飛ばす佐天のとなりで、頭に三角巾を載せた娘・利子が盛りつけを手伝っている。
時ならぬイベントが嬉しいのか、はたまた母の料理を手伝うことが楽しいのか、顔を輝かせて手伝いをする利子。
その姿を美琴は羨ましく眺めていた。
(麻琴と一緒にご飯作れたら楽しいだろうな……。やってみようかしら……。
やっぱり今度、あらかじめ連絡してから来ようっと)
「さすが、佐天さんだわ〜。あのお料理スキルはすごいわよねぇー、ねぇ美琴さん?」
上条詩菜が感に堪えかねたように言うが、その言葉はグサと美琴の胸に突き刺さった。
「そ、そうですわね、お義母さま。で、でも、わたしだって、佐天さんほどではないですけど……」
「あらあら、じゃぁ今度は美琴さん主催でやりましょうか。麻琴ちゃんもお手伝いしてみたいでしょうからね。
美琴さんと麻琴ちゃんのお料理する姿、なんか想像するだけで楽しくなっちゃうわぁ〜」
「有り難うございます。お任せ下さいな、電撃使い<エレクトロマスター>だけが取り柄じゃない、ってことお見せ致しますわ」
「あらあら、すごいじゃない〜、じゃぁ今度来る時に、美琴さん、お願いするわね? きっとよ? ああ、楽しみだわ〜」
(くっ、なんか、あたし、嵌められたような気がするんだけど……まぁいいわ。この御坂美琴、目にもの見せてさしあげますわよ、
お義母さま!)
(な、なんかあそこで、嫁姑の火花散る戦いが交わされているような気がするんですが……ふ、不幸だ)
ひたすら嫁姑戦争に巻き込まれないよう、息を殺している当麻。
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