676:LX[saga sage]
2012/04/22(日) 19:52:03.46 ID:rvILcllf0
妹達<シスターズ>のうち、検体番号10039号などは最初から美琴の字を1つ入れて考えて欲しいと注文を付けてきていたくらいである。
それを聞いた検体番号13577号は、ならば10039号と異なる文字を入れて欲しいと切り出した。
「美」「琴」を二人で分け合いましょう(明らかに区別出来る名前になる)というのである。
そして、最後の検体番号19090号はもじもじしながら
「で、ではこのミサカはお姉様<オリジナル>の名前を入れ替えた『琴美』で御願いします」と言ってのけた。
しかし、それを聞くや否や、目を吊り上げた10039号と13577号は
「図々しすぎます」
「その名前は全員一致で選択外とすることが決まっています、聞いていたはずですね、19090号?」
「これは問答無用ですね」
「ええ。折檻ですね」
「そう、折檻です」
と19090号に飛びかかったのであった。驚いた美琴が水をぶっかけて、このキャットファイトはようやく収まったのだが。
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さて、どうしたものか、と考えていた時に、都合良くソイツは現れたのだった。
「チッ、つまンねェ時にはつまンねェヤツにぶち当たるもンだ。情けなくて涙が出ちまうわマジで……」
「あ……?」
美琴は吹き出しそうになった。もう中学生になろうかという女の子を捜しにコイツ、一方通行<アクセラレータ>はやっぱり来たのだ、と。
そりゃいくらなんでも過保護でしょ? と美琴は突っ込みにかかる。
「あーら。打ち止め<ラストオーダー>を探しにやってきたってワケ? アンタもホント心配性なのねぇ」
「うっせェ、くだらねェことブツブツいってるンじゃねェ、オレがコーヒーを飲みに来ちゃいけねェって法律でもあンのか」
「あってもアンタ、守る気ゼロでしょーが」
「あーうぜェ、18過ぎて、ちったァ大人になったかと思ったが、あいも変わらずギャーギャー言ってやがンのか、三下も可愛そォになァ」
「アンタに関係ないわよ。勝手に宜しくやってるから心配して頂かなくて結構ですよーだ」
……二人の掛け合いに口を挟めず、黙ってみている打ち止め<ラストオーダー>であった。
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「あー、難しいわぁー……」
「オレがハナから投げた理由がちったァ分かったか、クソアマ」
「最初から投げたヤツに言われたくないわよ! 黙ってなさいよねっ、イライラするからっ!!」
そこは一方通行<アクセラレータ>と打ち止め<ラストオーダー>が住んでいるマンションのリビングルーム。
一方通行<アクセラレータ>と打ち止め<ラストオーダー>は二人でとあるマンションを借りている。
最初の頃、美琴は打ち止めに、「あんた、その、アイツに迫られたり、とか、そういうこと、ないの?」と聞いたことがある。
打ち止め<ラストオーダー>は、当時トレードマークであったアホ毛を指で弄くりながら即答したのだった。
「うん、悪戯したりするとね、こらぁーって、ペシペシ叩かれたりするの。乱暴じゃないよ、でも?」と。
今回、彼らの家に行く途中、久方ぶりに美琴は興味本位でまた同じ質問をしてみた。彼に聞こえないように。
すると、彼女はパッと頬を染めて下を向き、小さな声で答えてきた。
「ううん、一度も、ないの」と。
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