707:LX[sage saga]
2012/05/06(日) 23:06:33.39 ID:RpQV+FS/0
実際、美琴は迷っていた。
最初、土下座した当麻から「衝撃の告白」をされた時は、彼女は動転した。
正直、自分が何を言ったのか、正確にはもう覚えていない。
(いいや、大体想像つくけど、今さら思い出したくもないし、それに)
美琴は答えた。
「少し、考えることにする」
「そう。じゃ、そうしましょ?」
美鈴は同意を求めるかのように、夫・旅掛の顔を見る。
何か企んでるな? という顔をしながら、彼も「うむ」と返事を返した。
(ここで破談って言っちゃったら、アイツはあの子のところに行って私のところには戻ってこなくなる……。
それって夢のとおりじゃないの。そんなバカなことしたら、あの子の狙い通り。そんなこと絶対にさせるもんか)
ウエディングドレスを着て、当麻の傍に立つ御坂妹の姿。夢にしては異様にリアルだったその記憶。
絶対にあの悪夢を現実にしてたまるものか、と美琴は思う。
まさに、美鈴が考えたとおりであった。
(でも、私、どうしたらいいんだろう……?
今さらアイツのところになんか行けるわけないし、って、どうして私が折れなきゃいけないのよ? アイツが頭下げるべきでしょ?
そ、そうよ、これを元に、アイツを縛り付けちゃえばいいのよ。だって、私は悲劇のヒロインなんだから。
みてなさい、アンタ(御坂妹)。
寝取られた私がどうするか……覚えときなさいよね、最後に笑うのは、勝つのは私なんだから!)
こうして両親と会話のキャッチボールをすることで、美琴の腹は決まった。
<あの子『クローンの、その子』の思うとおりには、絶対させない>
美鈴、美琴の考えは、結局は一緒であった。
すなわち、「おんなの敵はおんな」という、古来から変わらぬ普遍の真実であった。
かくして、上条当麻は、首の皮1枚を残して繋がった。
しかし本人は、そのことを知らない。
それどころか、刀夜と共に自宅に戻った彼には、更なる予想外の出来事が待っていたのだった。
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