過去ログ - 新・学園都市第二世代物語
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713:LX[saga sage]
2012/05/13(日) 19:44:02.61 ID:5Ilf9fTa0

東京、聖ルカ病院。

ここは9階の特別病棟。

ナースステーションで確認すると彼女の部屋は一番奥だった。

最初は「そんな人はいませんが?」と言われ、「そんなはずはない、自分は学園都市から来た上条当麻です」と名乗ると、当直の看護士はどこかへ電話を掛けた。

「どなたの御紹介でこちらへ?」と問われ、そこで冥土帰しの名前を出すと、ようやく「上条さんですね。話は聞いております」と許可が下りた。

静かな廊下を歩き、部屋の前に立つ。

一回深呼吸をした後、控えめにノックをする、が答えはない。

静かに引き戸を少し開け、少し間を置いた後、彼は小さな声で声を掛ける。

「上条、当麻です。……御坂妹、入るぞ?」

返事はなく、静かなままの部屋の雰囲気に当麻は不安になる。

聞こえるのは空調の音だけ。

まさか、まさか?

彼は、動悸が速くなるのを感じた。



彼女は寝ていた、が。



(お、おい……?)

最初、当麻は違う部屋に入ったのかと思ったくらい、御坂妹はやつれ果てていた。



美琴と同じ色の髪は艶を失い、肌は荒れ、頬はこけていた。

栄養剤の点滴だろうか、脇のスタンドからチューブが伸び、布団の下に伸びていた。

おそるおそる、当麻は傍に寄り、彼女の顔をじっと見つめる。

遠い日の事が思い出される。

――― ミサカはあちらから来ただけですが、と指差します ―――
――― ミサカには一つ、致命的な欠陥がありますから ―――
――― 猫なのに、いぬ、ふふ ―――

……可愛いのに、どこか普通でない雰囲気をまとっていた、御坂妹。



――― ミサカはきちんと死亡しましたよ ―――
――― あなたは……なにをやっているのですか? ―――
――― ミサカは、必要な機材と薬品があれば、ボタン一つでいくらでも自動生産出来るんです ―――

……恐るべき実験の「道具」だった、御坂妹。



――― ミサカから、もう、何も奪わないで下さい ―――
――― このミサカは、永遠に、あなたのものです ―――
――― 私は今、とても幸せです ―――

……素肌を晒し、僅かに甘えを見せ、「おんな」の一面を見せつけた、御坂妹。



最初は自ら力ずくで関係を作った彼女。だが、それだけでは悲しいから、と甘え、おねだりをしてきた彼女。

自分が、初めて抱いた女(ひと)、そして処女(むすめ)だった、彼女、御坂妹。



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