801:LX[saga sage]
2012/07/22(日) 20:38:18.02 ID:xs0nTr/s0
「おはよう、当麻」
それは、朝一番に美琴からかかってきた音声通話だった。
当麻は緊張する。
決定的に嫌われた、もう修復出来ないだろう、そう思っていた矢先に美琴からの電話。いったい何の話だろうか、と。
「美琴? どうしたんだ、何かあったのか?」
「私のことなんか……どうでもいいのよ。それよりね、今から会える?」
「うん? かまわないけど?」
「良かった……あのね、あんたにやって欲しいことがあるの。あんたにしか出来ないことをね」
「え……? そりゃかまわないけど。何をすれば良いんだ?」
「会って話すわ。電話じゃ盗聴されるから。で、あんた、今、どこにいるの?」
「俺か? 友達の家だ。寮にはちょっと帰れなくてね」
「……そっか……そうよね……ごめんなさいね。あの子たちのせいね」
「い、いや、気にすんな。お前のせいじゃないさ」
「あんたね、第十二学区あたりで知ってるところない?」
「第十二学区? 珍しいところを、なんでまた?」
「いいから。あのシスターがらみでもいいわ。どこかない?」
「……聖オルソラ教会ってのがある。住所はxxxx、xxxxだが?」
「検索するわ……わかった。あんた、直ぐ出られそう? お金ある?」
「なんだよそれ? お前ほどじゃないけど、出かけるのには不自由しないぞ? まさかお前、お金がいるのか?」
「誰がよ、バカね。あんたが、またサイフごと落っことして、待ち合わせに来れなくなったら困るから聞いただけよ。
じゃ10時にそのオルソラ教会の入り口、直ぐ来て?」
「……わ、わかった。あの、みこ……」
美琴からの電話は一方的に切れた。
「どうした、カミやん? もしかして、彼女から呼び出しかにゃー?」
聞き耳を立てていたのだろうか、土御門元春が興味津々という顔で当麻に話しかけてくる。
「そんなところだ。ちょっと行ってくる」
「ほぉぉぉぉ? 冗談のつもりがヒョウタンから駒ってかにゃー、仲直りするんなら応援するぜい? 頑張ってにゃー?」
「あんがとな。ここ、助かったぜ」
「お安い御用だぜよ」
妹達<シスターズ>を撒くことに成功した当麻は、土御門の家に潜んでいたのであった。
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