過去ログ - 新・学園都市第二世代物語
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813:LX[saga sage]
2012/08/05(日) 22:37:16.33 ID:7azhN7K10

場面は再び、打ち止め改め御坂未来(みさか みく)の部屋。

御坂美琴と御坂未来は向き合い、未だ御互いに腹の探り合いをしていた。



「なんかねぇ……いいのよ、もう。そのことはね、ケリつけたの、私」

「ケリって……お姉様<オリジナル>、また何やら一人で抱え込んでません?」

「あら……ちょっと未来? あんた、ずいぶん大人びた事言うようになったわね? 何があったのよ?」

「え? それは……ミサカだって、こんな私だって、生きていればいろんな事がありますよ……」

はぁ……とため息をつくかのように未来がしみじみと言う姿に、一瞬、美琴はどうしたのかと思う。

ま、どうせまたあいつ(一方通行<アクセラレータ>)と口げんかでもしたんだろうな、と深く突っ込むことは止めた。

今日はそんな話をするために来たのではないからだ。

「……それに1万人のミサカたちの経験も全部入ってきますから、耳年増にもなるってことですよ、お姉様<オリジナル>? 

さて、ミサカの話はこれでいいですね? それでは話を元に戻して……と、お姉様<オリジナル>、どうなんですか?」

話をはぐらかされてたまるものか、とばかりに未来は食い下がる。

「あんた、しつこい女の子は嫌われるわよ?」

「うふふ、その点はご心配なく、お姉様<オリジナル>」

そう言うと、未来はいかにもたった今思いついた、と言うように斜め上を見ながら聞こえよがしにつぶやいた。

「……まさか、今回のお姉様<オリジナル>の破談騒ぎに、行方不明の検体番号10032号が何か絡んでいるとか?」

「……!」

未来とやり合いながらも、どこか上の空で心ここにあらずといった感じで、手持ちぶさたにコーヒーをかき回していた美琴の手が一瞬だけぶれ、コーヒーがカップから少しだけこぼれた。

その不自然さを、姉の姿を盗み見るように視界の隅に入れていた未来は見逃さなかった。

「あれ、冗談のつもりだったんですけど、まさかの大当たり一等賞?」

「はぁ? 知らないわよ! それにあの子が、その、行方不明だなんてホントなの? あんた上位個体でしょ? そんなことでいいわけ?」

一瞬の動揺を覆い隠そうと、突っ込み返す美琴。

「訂正しますと、正確には『連絡が取れない』です、お姉様<オリジナル>。

ゲコ太先生の特命事項で、検体番号10032号はマル秘のお仕事に就いているそうです」

美琴の突っ込みを軽くいなす未来。

(ふうん、あの医者、私だけじゃなくて妹達<シスターズ>にも全く同じこと言ってるんだ、まぁその方がボロ出しにくいわよね)と美琴は一人納得する。

(そこまでして、あの子の妊娠を隠す必要はあるのかな?) 一瞬彼女の頭を疑いがよぎる。

(まぁ、あの子の相手は誰よってなったら、あのバカ以外いるわけないわよねー。それが理由?) 当麻の子供、ということが問題なのだろうか?

(そういや今頃、あの二人はどうなってるだろ? うまくいったかしら? 一悶着起こしてなければいいけど……まぁ、一応言ってはおいたし……)と美琴は、当麻と御坂妹に思いを馳せる。

いきなり、未来の声が美琴を我に返した。

「お姉様<オリジナル>……やっぱりそうだったんですね? 冗談半分で言ってみたんですけれど、検体番号10032号と何かあったんですね? ふふふっ♪」

そう言われて、美琴は初めて、自分の顔をじっと見つめている未来に気が付いた。



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