870:LX[saga sage]
2012/09/16(日) 21:38:16.14 ID:XIEedObl0
美鈴と当麻は顔を見合わせ、
「あ、それはね」
「あ、それはな」
返事が被った二人は「どうぞお先に」「あら、責任者のあなたが先に」と譲り合った末に、年長者である美鈴が先に答えることになった。
「簡単なことよ。私は娘、そう美琴ちゃん一人だけだったから……ホントはね、次は男の子が欲しかったんだけれどね、だから男の子にすっごく興味があるの♪
いけないかしら? うふふふふ」
(すっかりその気だな)
(私の子供なのに……)
ノリノリで楽しそうな美鈴に二人は心の中でため息をつく。
「おれの番だな」と当麻は口を開いた。
「あのな、気を悪くするなよ?」と言って、彼は御坂妹の目を見つめる。
「はい……なんでしょうか?」 御坂妹は思わずしゃきっと座り直し、当麻に向かい合う。
「男の子だと聞いてな……」 当麻は、
「オレのようにならなきゃいいなって……思ったんだ、うん」
そう言うと、彼は右手を上げ、ちらと眺め、そしてまた御坂妹を見る。
御坂妹は彼を凝視し、美鈴ははっとした顔になる。
「まぁ、よく考えればさ、女の子でも同じなんだけどな」
自分を睨む2人の女性に気圧されたのか、いやいや冗談だから、違うからさ、というように手を左右に振る当麻。
「当麻クン、あなた以外にその不思議な能力持ってた人って、今までいたのかしら?」
美鈴が当麻に聞く。
「いいえ、少なくとも父の方にも母の方にもそういうひとはいなかったようです」
「あなたの身の回りで、最近不幸なことはありましたか?」
御坂妹が話に割り込んでくる。
「うーん……そう言えば、昔みたいなことは殆どないな。お気に入りのシャツ、ひっかけて破いちゃったくらいか」
「それは単なる不注意ではないか、とミサカは考えます。それに」
「もし、この子にあなたが心配するようなことがあっても」
話を続ける御坂妹は、言葉を一旦切ると当麻の顔を見上げた。両手は、お腹の子を庇うかのように。
「このミサカがこの子を守ります。ミサカの、命に代えても」
そう、彼女は言い切った。
(美琴ちゃんに、ちょっと似てたかしらね)
そう、御坂美鈴は御坂妹の横顔を見て小さく頷いた。
1002Res/1293.21 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。