877:LX[saga sage]
2012/09/23(日) 21:52:09.31 ID:ZCbdZhPS0
それは突然やってきた。
「私の携帯に着信です」
美鈴とのおしゃべりを突如中断し、そらを注視していた御坂麻美(御坂妹)がつぶやいた。
、
「え、そんなことわかるんだ?」
「はい。自分はこれでもレベル3ですので。ちょっと部屋に戻ります」
「へー、便利だね。足もと、気を付けてね?」
「ありがとうございます」
便利ですか? と言う顔で彼女は客間に戻って行った。
旅掛は御神酒のせいで、僅かに赤い顔をしている。
美鈴は御坂妹こと御坂麻美が来て以来、アルコール類は控えており、今日は御神酒だからと言うことで杯に軽く一杯のみである。
ちなみに麻美はお腹の子に何かあっては、とわずかに舐めた、という程度だった。
「では、そろそろ初詣にでも行くか? 天気も良いし」
沈黙を破るように、旅掛が美鈴に話しかける。
「タクシー呼びましょうか?」
「いや、今年は近くのにしよう。そこの神明さんで良いだろう? ゆっくり歩いても10分ほどだ。遠くではあの子が疲れてしまうからな」
「あらあら、随分と優しいこと」
「冷やかすな。女性には優しく、とくに妊娠しているひとには余計にな。なんせ子供は国の、いや世界の未来を担う宝なのだからな」
「大きく出たわねー。私の時、そんなこと言ってたかしら?」
「昔からそう思っていたが、美琴が生まれて、改めてよぉくわかったのだ」
「あーら、うまく逃げたわね」
夫婦の他愛もない掛け合いが続く中、麻美が戻ってきた。
二人を見て、彼女は立ち止まる。
「誰からだったの?」
「……学園都市に至急戻って欲しい、という連絡がありました。すみませんが、これから私は出かけなければなりません。
せっかくの楽しい時をぶち壊してしまって申し訳ありません」
心なしか、緊張している麻美の顔は青く見えた。
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