過去ログ - 新・学園都市第二世代物語
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882:LX[saga sage]
2012/09/30(日) 20:11:31.75 ID:21DH1Xvd0

「父さん、母さん、おめでとう!」

「元気そうだな、ああ、おめでとう!」
「おめでとう。美琴ちゃん、風邪ひかないようにしてる?」

「あのねぇ、もう子供じゃないんだから……」



ここは神奈川県と学園都市第二学区との連絡口。

学園都市に戻らなければならない、という御坂妹こと御坂麻美を送ってきた御坂旅掛・美鈴の2人と、学園都市から出迎えの為に出てきた娘・美琴とはつかの間の逢瀬である。

ふっと会話がとぎれる。

美琴の目が、両親の後にいる人間を捉えていた。

「ちょっとアンタ、隠れてないで出てきなさいよ。ほら、主役が隠れててどうすんのよ?」

やや刺々しいのは、やむを得ないだろうか。

「はい。新年あけまして、おめでとう御座います。今年も宜しくお願い申し上げます、お姉様<オリジナル>」

麻美が大きなお腹を抱えつつ、新年の挨拶をする。

「アンタ、そんなお腹なんだから、無理してお辞儀なんてしなくて良いから! そうね、今年も宜しく」

美琴は、麻美のお腹を見ながら、ややつっけんどんに挨拶を返した。

「美琴ちゃん? もっと丁寧にしないと、お姉さんとしての示しがつかないわよ?」

やんわりと美鈴が美琴をたしなめるが、美琴は

「ほら、アンタ、病院で先生待ってるんでしょ? 行くわよ!」 と麻美を促す。

「はい。それでは御坂さん、美鈴さん、それでは行ってきます。1日2日で戻れると思いますから」

そう言って、麻美は軽く二人に会釈した。

「おお。戻る日が決まったら教えてくれ。迎えに来てあげるから」
「気を付けてね。待ってるから」

旅掛・美鈴の二人は心配そうな顔をしながら麻美としばしの別れの挨拶を交わす。

(なんか、まるで私が強引に連れ去る人さらいみたい。冗談じゃないわよね、忙しい中、来てあげたってのに。

そ、だいたいあのバカが海外出張なんかするからいけないのよ! 

アイツがいれば、こんな仕事なんかしなくても済んだし、こっちに戻れてたのに! 

ホントに使えないんだから、まったくもう!)

心の中でブツブツ文句を垂れながら、美琴は3人のお別れのセレモニーを眺めていた。


「お姉様<オリジナル>、お忙しいところすみませんでした。宜しく御願い致します」

そう言って会釈する麻美を美琴は無視するように

「じゃ、お父さん、お母さん、この子連れて戻るから。身体、気を付けてね! 時間出来たら、『アイツと一緒に』帰るから! 

じゃね! バイバイ!」

ことさら「アイツと一緒に」を強調するかのように言って、両親に手を振りさよならを言うと、くるりと廻って麻美の手を取った。

「さ、それじゃゲコ太先生のとこ、行こうか?」

「はい。御願いします」



ゲートに消えてゆく二人を、御坂旅掛・美鈴の両親は見えなくなるまで手を振っていた。


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