過去ログ - まどか「わたしが、わたしたちが、魔法少女だ」
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106:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage saga]
2012/01/07(土) 11:29:09.32 ID:ft8utIWx0
さやか「え?」

 ふと、自分に賛同する声が聞こえたような気がした。
でも、周りを見ても誰もいない。空耳、幻聴……さやかは空笑いして立ち上がると、洗面所へ向かった。
顔を洗い、歯を磨き終えると、自分が少しだけだらしのない顔をしていることに気が付き――でも、一瞬だけ、ほんの一瞬だけ妖艶に微笑んだように見え――……しばらくして、両頬を両手で叩いた。自室に上がり、制服を着こんで髪を梳かす。

さやか「よっし! さやかちゃん完成!」

 といつも以上に自分を囃し立てる調子で言うと――


 リボンは良いのぉ?


さやか「え……?」

 また、声が聞こえてきた。

 さやかは周囲を見渡した。でも誰もいない……一体誰?


 折角かわいいリボンを買ってもらったんだからぁ、付けないと勿体ないよぉ? でないと恭介を誰かに取られちゃうかもぉ。


さやか「だ……誰……?」

 何処を見渡してもいない。
いや、そもそも声はどこからしているのだろう。いやに鮮明に頭の中に響いてくる。一字一句を逃さず自分は感じ取っている。



 そんなのどうでもいいじゃん。ほらぁ、リボン付けてぇ……そうだ、恭介を迎えにいってあげようよぉ! きっといつもと違うあたしたちを見てぇ、恭介ぇ、喜ぶかもよ?


さやか「は……? え……?」

 リボン? それどころじゃない。自分は今得体のしれない存在との対話を強いられているんだ、そんなこと気にしている場合じゃ……。

さやか「そう……かな……」


 そうだよぉ。ほらぁ、付けてみなってぇ。まどかみたいのも良いけどさ、あんたが可愛いと思うように付けてみなよぉ。


さやか「うん……」

さやか(恭介……喜んでくれるかな? いつもと違うって思ってくれるかな?)


 大丈夫だって! あたしが言うんだから間違いない!


 さやかは鏡に映る自分を丁寧に観察しながら、かずみに買ってもらったピンクのリボンを付け始めた。
付け終え、鏡に映った自分が、それなりによく似合っているのではないかと安堵し――

「へぇ、良く似合ってるじゃん。さすがはあたしぃ?」

さやか「うあぁ!?」

 急に、鏡の中の自分が喋った。

さやか「え……あ……」

「もう、そんなにびっくりしないでよぉ! さやかちゃんショックぅ〜」

 自分とは思えないほど甘ったるい声で鏡の中の自分は語る。
目元や口元まで、自分なのに妙に艶やかだから、さやかは別人が鏡に映っているのではないかとおもったけれど、それは紛れもなく自分だった。

さやか「あ……あんた誰よ!」


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