過去ログ - まどか「わたしが、わたしたちが、魔法少女だ」
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50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga sage]
2011/07/26(火) 00:01:43.27 ID:mgFu9zsV0
かずみ「まだかなぁ〜まだかなぁ〜♪」 

 体を弾ませてオーダーを待つかずみは年端いかない童女のように見える。そういえば彼女の年齢を聞いていなかった。幼い顔立ち、小さな身長からさやかよりも年少に見えるけれど、それなら親友のまどかだってかずみに負けていないくらい幼い。さやかは彼女に年齢を訊ねた。自分と同じだと言われても、さやかは驚かず、達観してその事実を呑み込んだ。かずみの方にも別段驚愕はない。というよりも、彼女の関心はバケツパフェ唯一つに根こそぎ奪われているのだろう。なんて天心爛漫なんだ――さやかはかずみに合わせて振動するアホ毛を見ながら、小さく笑った。かずみはそれに気が付いていない。

かずみ「いっただっきまーすっ!!」

 スプーンを拳を作って握り、かずみはバケツプリンに食らい付く。最初こそ微笑ましかったものの、その猛々しい食い様、鈍く光る眼光、顔中に塗れていく生クリームやカラメルソースを見て、さやかは唖然とした。彼女が食べ終わり、背もたれに深く沈みこむまで何も言えなかった。

かずみ「いやぁ食べた食べた〜・・・・・・!」

さやか「おぅ・・・・・・なんというか、雄雄しい食い様だったよ」

かずみ「えへへ・・・・・・♪」

さやか「いや別に褒めてねーし!!」

かずみ「え――おっと危ない危ない。底に生クリームがまだ残ってた――あ?あれ?ちょっと!?さ、さやかぁ!ぬ、抜けないよぉ!!」

さやか「はぁ、嘘!?あ、あんた一体何やってんのさ!?」

かずみ「さやかぁ!」

さやか「たっくもぉ・・・・・世話が焼けるなぁ・・・・・・」

 さやかが引っ張ると、なんとかかずみの頭はバケツから抜けた。さやかは呆れておしぼりを取る。きっと、かずみの頭は食べかすで大変なことになっているだろうと・・・・・・けれど、多少光沢を怯えているくらいで、目立った食べかすは見えなかった。どうやら、殆ど舐め取ったようだ。さやかは持ったバケツを見下ろした。いや、全てだ。

さやか「あんた・・・・・・何も此処までせんでも・・・・・・」

かずみ「駄目だよ、食べ物を粗末にしたら無事にエンドロールを迎えられないんだからね?」

 かずみは胸を張る。

さやか「口の端にクリーム付いてますよかずみさんや。エンドロール、良いんですかいな?」

かずみ「おっとと・・・・・・」

 かずみが拭ってそれを舐めたのを見て、さやかは笑った。

さやか「ははっ。案外生真面目なんだな〜かずみって。ていうかそれなんなの、エンドロールがなんちゃらってさ。家訓とか?」

 気安く考えてさやかは訊ねたが、かずみの表情に哀愁が浮かんだのを見て、笑みを凍りつかせた。

かずみ「・・・・・・そうだね、うん・・・・・・そんな感じ、かな」

 明らかに消沈かずみは薄ら笑い浮かべて答える。さやかはなんと言えば良いか解からなかった。

さやか「――ところでさ」

 口が動く。頭が回る。どうすれば良いか津々と発想が浮かんでくる。

さやか「かずみ、これから暇?」

かずみ「え――うん、まぁ・・・・・・暇、かな。今の内は」

さやか「そっか――じゃぁ、これからさ、デパート行かない?」

かずみ「へ――デパート?」

さやか「そっ。デパート。あたしちょっと見たいものがあるんだよねぇ。でも、一人でっていうのもあれだしさ」

かずみ「デパート・・・・・・か。うん・・・・・・行く、行きたい!行こう、さやか!!」

さやか「よしっ。じゃぁしゅっぱーつ!!」


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