2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/07/11(月) 11:05:51.90 ID:pw75EXkAO
名残を惜しまれながら散っていった桜が春の終わりを告げようとしている五月。
多々良 鋼介(タタラ コウスケ)は苛立ちを露にしながら並木道を歩いていた。
彼の身に何かがあったわけではない。厳密に言えばあったのかもしれないがそれは昨日の晩に爪を切っていて深爪をしたとか、今朝作ったハムエッグが少し焦げていたとか、何ということもない些事でしかないだろう。
「ああ苛つく、苛々する……」
幼い頃から鋼介はこうだった。
頭で考えるよりも手が先に出てしまう。
この世の全てを恨んでいるかのような斜に構えて腐りきった根性。
そんな本質を抱えたまま彼は十五歳になった。
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