過去ログ - 僕はいつだって卑劣だ
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76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/08/02(火) 12:18:30.05 ID:Al6AjFUAO
「りっくん」

 甘ったるい声色の中にどこか冷たい色が混じる。
一筋の風が友里の髪を靡かせ、隠れた片目が露になった。

以下略



77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/08/02(火) 12:19:22.61 ID:Al6AjFUAO
おわりー


78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/08/02(火) 21:08:44.98 ID:FQ05aeuDO
乙 見てるぞ


79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/08/03(水) 11:32:53.23 ID:LBoq68mAO
 永和学園の他の学校には無い特色を挙げれば枚挙に遑がない。
離島の閉鎖された環境。成績によって変動する待遇から生まれる生徒間のヒエラルキー。一都市と言っても過言ではない規模を誇る島ゆえに生徒達に与えられる選択肢の多さ。
 だがそれらよりもはっきりと他の学校とこの学校を区別するものは、高校の段階では珍しくドラッグの研究、開発、運用に精力的な事だ。
数十種類あるドラッグに関する講座の中から自分の進路に合わせて必要な講座を選び、単位として修得する。
その講座の中の一つがドラッグ構造の研究。鋼介が今受けている講座だ。
以下略



80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/08/03(水) 11:59:56.93 ID:LBoq68mAO
「おい、今これどうやったんだ」

「わりぃ、この講座だけは集中させてくれ」

 嫌味な態度を取る事すら億劫なのだろう。唐木はぶっきらぼうに告げると作業に戻った。
以下略



81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/08/03(水) 12:26:24.21 ID:LBoq68mAO
「ははっ、唐木君はとても速い方だからね。皆も自分のペースで頑張りなさい」

 温厚な笑顔を浮かべて教師が言うと生徒達は再び作業に没頭してゆく。
その中で唐木を除いてただ一人、鋼介だけが腕を組んだまま黙り込んでいる。

以下略



82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/08/03(水) 13:01:13.48 ID:LBoq68mAO
 それから十分ほど経って、ちらほら手を挙げる生徒もいたが唐木ほどの評価を得られる者は居なかった。
 データが書き込まれた従来のチップにゲル状のコーティングをするのではなく、液体金属のチップに直接データを書き込む。
勿論それに必要なスキルは易々と修得出来るものではない。
今の段階では間違いを指摘され続ける方が当たり前なのだ。

以下略



83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/08/03(水) 15:01:24.55 ID:LBoq68mAO
 結局鋼介は授業終了間際に規定のプログラムを組み終えた。
中には時間内に終わらなかった生徒も居るので結果としては十全だろう。

「次は運用の実習か、お前は?」

以下略



84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/08/03(水) 15:16:35.98 ID:LBoq68mAO
「へぇ、今時の若者って感じだけど真面目なんだねぇ。将来はどんな職に就こうと思ってるの?」

「ドラッグの開発が出来たら良いなと思ってます。出来たら兵器の」

「兵器? この御時世に兵器開発とは珍しいね。君なら医療系ドラッグの開発なんかで大成功出来ると思うんだが……」
以下略



85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/08/03(水) 15:36:18.65 ID:LBoq68mAO
「さてと……」

 唐木と別れ、ドラッグ運用の実習室に向かおうとしていた鋼介だが彼の足取りは重い。
まざまざと身近な者の功績を見せつけられ、やる気が著しく殺がれていた。
 こういう時に意志が弱い者はやたらと周りに注意を向ける。
以下略



86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)
2011/08/03(水) 15:36:49.21 ID:LBoq68mAO
おわりー


87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/08/04(木) 13:43:58.01 ID:aSt57/JAO
 渇いてもいないし湿ってもいない、真下から上へと吹き抜ける風が鋼介にとっては心地良かった。
落下地点はベンチで転た寝する灰宮友里の頭の数センチ真横。
衝撃を殺そうともせず、踏み付けるように着地する。

「ひゃっ──!?」
以下略



88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/08/04(木) 13:56:10.63 ID:aSt57/JAO
「その声が聞きたかったんだよ僕は」

「……性格悪過ぎ」

「知ってるよ」
以下略



89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/08/04(木) 14:10:07.32 ID:aSt57/JAO
 やたらと饒舌だったのにいきなり黙り込んだ鋼介を見て友里は眉間を抑え、深く溜め息を吐いて……。

「あのさ、ちょっかい出したのはホントに悪いと思ってるんだよね。だから付き纏ったりするのは止めてね?」

「やだね」
以下略



90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/08/04(木) 14:22:20.21 ID:aSt57/JAO
「……ちなみにしたい事ってなに? それともシたい事だったり……」

「いやそんなサラッと変態発言されても困りますし……」

 お得意の下世話なジョークも真に受けられた。
以下略



91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/08/04(木) 14:37:05.19 ID:aSt57/JAO
「ふん、まぁ良いさ」

 何がどう良いのか友里にはさっぱり解らなかったが何かがまぁ良かったのだろう。
誰が見ても癪に障る小生意気なドヤ顔を浮かべ、鋼介はベンチから飛び降りて中庭の芝生に躍り出た。

以下略



92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/08/04(木) 14:53:16.96 ID:aSt57/JAO
「おい光。下見てみろ」

「お前そろそろ俺に対する口の聞き方考え直した方が良いんじゃねーの? 一応俺三年だし……。ってなんだありゃ!?」

 白に近い金髪とごてごてに左耳を飾る銀色のピアスが揺れる。
以下略



93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/08/04(木) 14:55:21.71 ID:aSt57/JAO
おわりー


94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]
2011/08/08(月) 18:05:57.09 ID:UpvGHBFAO
今北

見てるから続き書いてくれよ



95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[sage]
2011/08/10(水) 16:59:02.03 ID:S8PXAOCAO
いやもう書くなよ
書くならsageろ


96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)
2011/10/13(木) 19:46:12.39 ID:EtGGXNHAO
まだかよ


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