過去ログ - 僕はいつだって卑劣だ
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25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/07/19(火) 12:39:40.13 ID:voLLPpMAO
 曲りくねった路地を鋼介はひたすら歩く。
その先に何があるのかなんて事は彼にとってはほんの些事でしかないし詮索する事もない。
 溜め込んだ毒の捌け口も解らぬままに歩く、歩く、歩く。
 言わば肉に飢えた猛獣。そんな彼が彼等と出会うのは必然であり、当然であったのだろう。

「うおっ!? マジビビったわー……」

「んだよ、一年坊かよ」

 真昼にもかかわらず日の光さえ届かない仄暗い路地裏。
彼等は三人で虫のように固まって紫煙を撒き散らしていた。

「…………」

 鋼介は口を閉ざしたまま三人の顔を一瞥する。
頭に剃り込みを入れた厳つい男。生え際が真っ黒な長い金髪を伸ばしっ放しにした男。カマキリの眼のようなサングラスで表情を隠した男。
三人が咥えた煙草の煙と彼等の一挙一動は全て、鋼介の神経を逆撫でる。

「一年があんまこんなとこチョロチョロすんなよ。此所は俺らの喫煙所なんだからよ」

 過酷ながらも脱退者を出さないこの学校のシステムの中でか細い笊の穴から零れ落ちた者。
ある者は彼等を畏怖し、ある者は彼等を軽蔑する。
俗に言うのならば不良というやつだ。


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