13:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:32:33.50 ID:WdcBs0Va0
(あー…居心地悪ィ…)
一方通行は、なんとも落ち着かない心境だった。
まず周りには中年以上の父兄ばかり。我が子の授業参観なだけあって、
皆フォーマルファッションだ。
もちろん一方通行だってスーツでネクタイを締めている。慣れないそれが
益々違和感に拍車をかけているのだが。
もともと目立つ容姿の彼がそんな格好をしているものだから、注目度はかなり高い。
どう見ても若すぎるあの白髪の赤眼は一体誰だろうと、教室の机に座る生徒たちもチラチラと
後ろを振り返っては一方通行を見ている。
打ち止めは窓際の列、後ろから三番目に座っており、
クラスメイトやその保護者たちの反応を見ながら、終始満足そうな表情だ。
一度だけくるりと体ごと一方通行の方へ振り返ると、にっこりとほほ笑んで手を振った。
声は出さなかったが、口を アリガトウ と動かす。
それを見て内心はともかく、いたって堂々となんでもない態度を発動していた
一方通行の体がわずかに揺れて、肩と眉をすくめた。無意識に口角が上がる。
その様子を目撃した一部の生徒と保護者が、どうやら彼はあの娘の関係者らしい、
と見当をつけた。
さっそく一人の女子生徒が打ち止めの席へと身を乗り出して
話を聞き出そうとするも、教師が入ってきたために断念したようだ。
始まった授業は、外からの保護者を招いての授業参観なだけあって、超能力とか、
発達した科学技術を紹介するような「学園都市初心者」には興味深い内容である。
もちろん一方通行がそんなもの耳に入れるわけなく、
目はうち止めばかりを追ってしまう。
授業が始まれば、当然生徒たちは後ろを向くことはできない。
こんなにも彼女をずっと見つめているのは初めてかもしれない。
一方通行は視界に打ち止めをとらえながら、今朝のリビングでの会話を思い出していた。
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