18:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:46:39.62 ID:WdcBs0Va0
「うぅ〜。お、驚いた。ミサカの友達が、まるでこの前見たゾンビの映画のようにミサカに……
ビックリしすぎて逃げてきちゃった」
揉みくちゃにされて乱れた髪を手櫛で整えながら、打ち止めは力なく一方通行の横を歩く。
アホ毛も、今は元気がなく下降気味だ。
それに比べて
「本当に今日はどうしたの?ってミサカはミサカは
ご機嫌MAXなあなたに不審の眼差し。じー…」
「別にィ、機嫌悪い方が良かったか?」
他愛無い会話を交わしながら、昇降口までやってきた。
打ち止めが自分のロッカーを開け、たと思ったら、バン!と音を立てて
勢いよく閉める。もちろん荷物など出し入れできていない。
「あ?何やってンだオマエ」
「え、えと、あの」
明らかに様子がおかしい少女。一方通行はすぐに反応した。
慌てる彼女をロッカーの前から押しのけ、だめぇー、と手を伸ばす打ち止めに構わず扉を開く。
そこには、白い封筒が落ちていた。
扉の隙間からそっと差し込んだのだろう。打ち止めの私物の上に無造作に
裏向きとなっていて、差出人のクラスと名前が読み取れる。
いくら一般的な常識や生活から遠ざかっていた一方通行にだって分かる。
これがラブレターだということは。
しかも、先ほどの打ち止めの反応は…
(…一瞬でこれが何なのか理解したみてェだな。見慣れた光景かよ)
どうやらこういったものを貰うのは初めてではないらしいことは、容易に想像がつく。
ロッカーの前で、二人はいつかのベランダで味わったような気不味い沈黙を、再び噛みしめた。
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