過去ログ - 吹寄「上条。その……吸って、くれない?」
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nubewo
◆sQkYhVdKvM
[saga]
2011/07/16(土) 10:38:19.66 ID:gKHRPC68o
「あっ!」
「わ、悪い」
吹寄が出したのは、怯えた声だった。
無理もないだろう。
「そうだよな。付き合おうって言っただけで不安がなくなるわけ、ないよな」
「ごめん。今の別になんでもない。その、触って。別に構わないわよ。彼氏彼女なんだし」
その言葉を受けて、もう一度肩に触れてみる。
怯えた声こそ上げなかったが、吹寄が警戒感を覚えているのは、丸わかりだった。
そりゃまあ、上半身裸でさっきまでただのクラスメイトだった男に触られるのに抵抗がなかったら、そのほうが嫌だ。
「吹寄、髪、撫でていいか」
「え?」
「やっぱ、物事には順番ってのが、有ると思う」
シーツを、肩からかけてやった。そして隣に、上条も腰掛けた。
近いほうの手で吹寄を抱き寄せて、髪に、優しく触れた。
「あ……」
「嫌か?」
「ううん。っていうか、別にさっきのも嫌って訳じゃ」
「無理すんなよ」
「無理してない!」
「そうか、悪い」
「……」
唇をつんと尖らせて、吹寄がそっぽを向いた。
そしてそのまま、上条のなすがままに、髪を撫でられる。
吹寄の視線が自分から外れたのをいいことに、上条は吹寄の胸元を見た。
体に巻きつけたシーツが、吹寄の体のラインを縁取っている。
鎖骨のあたりの複雑な陰影と、そしてシーツを体から引き離すように押し上げる、豊かな胸の膨らみ。
そして、二つの乳房の間にある谷間の部分がシーツをへこませていた。
その先は緩く体に触れていて体のラインは判らない。太もものラインが僅かに見えて、それにもドキドキさせられた。
「上条……」
「え?」
ハッとなると、ジト目で吹寄が見つめていた。
「付き合ったからって、露骨に見ないでよね」
「ごめん」
「別に綺麗なものでもないし、見られてあれこれ感想付けられるのは嫌なのよ」
「……」
人並みに、きっと吹寄も自分の体のことで悩みがあるのだろう。
そんな、劣等感めいたものを感じさせる仕草だった。
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