過去ログ - 吹寄「上条。その……吸って、くれない?」
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4:nubewo ◆sQkYhVdKvM[saga]
2011/07/16(土) 02:17:42.03 ID:gKHRPC68o

「っつー……あいつら、無茶やりやがって」

上条当麻は、保健室を目指していた。
ついさっきまで土御門たち、クラスの男子連中で遊んでいたのだが、
勢い余って上条は友達の一人と接触して盛大にこけたのだった。
膝のところの生地が傷んでいる。制服で遊ぶんじゃなかった。
買い直すお金はなくはないが想像するだに憂鬱なので、当分はこの服を着ることになるだろう。
服の内側で皮膚が擦り剥けているから、消毒と絆創膏をもらいに、保健室へと向かっているのだった
怪我は大したことないが、ジクジクと染み出る血が制服に着いては面倒だ。

「失礼しまーす」

コンコンと軽いノックをしつつ、上条は勢いよく保健室の扉を開けた。
仮病や体調不良でここに来たことはないが、怪我でなら結構ある。
勝手知ったる保健室だった。そのはずだった。
きっと中にはいつもどおり、定年間近のおばあちゃんである保健の先生がいるはずだった。
……まあ、上条当麻の日常というのは全く唐突に非日常に切り替わるのだが。
カラリとすべりのいい音を立てて横に開いた扉の先には。

――――上半身に下着すら身につけていない、クラスメイトの女の子がいた。

自然な感じのする黒髪を、ちょうど胸元くらいまで伸ばしている。
肌は、どきりとするような白色。普段見えている二の腕より先などは普通に焼けているのだろうが、
今、上条の目に映るのは、普段は服で隠しているであろう、おなかの辺りだった。
くるんと丸まった可愛らしいへそが陰影をつけていて、肌の白さを際立たせている。
触れればきっと、柔らかくて、さらさらだろう。
そのクラスメイトの名前は、吹寄制理という。

「……へ?」
「かみ、じょう……?」

二人で、見詰め合った。なんとも間の抜けた視線の交錯だった。
上条は必死で自分の落ち度を検索する。
保健室に来ることは悪いことか? 否。
保健室の扉に鍵は掛かっていたか? 否。
でもまあ、謝らない訳にもいかななった。
こういうことになった場合、男は無条件に頭を下げないとならないのだった。

「ご、ごめん! 悪気は無かった。てか、鍵開いてた!
 で謝ったけど一応上条さんに落ち度が無いことは強調させてもらいます!」
「……」
「だいたいお前、鍵もかけずにその格好はどうかと思うぞ。ちゃんと注意しろよ」

そう言いながら、上条は扉をぴしゃんと閉めた。だって他の誰かに裸を見られたら不味いだろうし。
あっけにとられたままの、吹寄と視線が合う。両手で胸を掴んで、いわゆる手ブラの状態だった。
どうやら、上条が入ってくる前からその姿勢だったらしい。
この年頃の女の子なんて隠そうとすれば完璧に隠せるサイズが普通のところ、
吹寄といったら、しっかり手で覆っているのにその横からこぼれんばかりだった。
そんな吹寄の肢体を、本能レベルで目が記録し脳が保存していく。
我に返った吹寄が、キッと上条を睨んだ。

「どうして、貴様はそこで開き直れるのかしら」
「へ?」
「……もういい。用が無いなら、出て行きなさいよ」
「許してくれるの?」
「知らないわよ、もう。こっちは困ってるって言うのに……」


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