過去ログ - 吹寄「上条。その……吸って、くれない?」
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895:nubewo ◆sQkYhVdKvM[saga sage]
2012/01/30(月) 14:52:43.43 ID:hvxFzFvQo

「制理も寝起きに寝ぼけることってあるんだな」
「あ……」

かあっと、顔に血が上る。
一体自分はどんな夢を見ていたのだ。遅刻をする夢はいい。
だけどその後、胸をはだけたままクラスに戻る心配をして、上条に彼女として宣言してもらう夢を見るなんて。

「夢、見てただろ?」
「えっ?!」
「なんかさ、夢見てるときの顔って表情豊かになるんだな」
「え、ちょ、ちょっと。嘘」
「全部可愛かったから。気にしないでいいって」
「――っっ!」

恥ずかしくて、上条の顔を見れない。
別に、胸を吸われるのはもう嫌じゃなかったし、そういうことをしているときの上条も可愛いとは思っていたけれど。
でもあんなふうに、自分から望んでるようなことなんて、きっとないのに。

「へ、変な顔とかしていなかった?」
「んー、ちょっと苦しそうな顔、だったかな?」
「そ、そう」
「どんな夢だったんだよ」

言える訳がない。そのままなんて、絶対に伝えられない。

「……貴方と一緒に寝坊する夢」
「あー、それ危険だな」
「ええ」
「最後はどうなったんだ?」
「教室に行こうとしたところで目が覚めたから、別にどうとも」
「実際にやらかしたら怒られるだろうなぁ」
「当たり前でしょう」
「クラスの連中にもばれるしな」

それはまずいよな、という顔で上条が同意を求めた。
吹寄は、いつもなら首肯しているはずなのに、即答できなかった。

「制理?」
「付き合ってるって他人にばらすのは、あたしの胸の問題が収まってからって、決めているものね」
「ああ、そのほうがいいだろ? こんなことしちまって、俺が責められるのはいいけど、制理が変な目で見られるのは悪いし」
「うん……」

今、上条との交際がばれてしまえば、口さがない連中は母乳の件と絡めずにはいられないだろう。
それは全く以って事実なのだが、揶揄されるのは嫌だった。はしたないといわれるのは当然だろうし。
上条にしても、自分が手が早いだの下半身が無節操だの、そういうことを言われるのはいいが、吹寄がゆるい女だと評されるのは不愉快だった。

「ま、もう数日の我慢だろ」
「そうね」

母乳は、ほとんど止まっている。昨日の出方と比べれば、明日には止まるだろう。医者がそう見立てていた。
だから、学校でこうやって授乳するのは、たぶん今日が最後。



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