過去ログ - 吹寄「上条。その……吸って、くれない?」
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946:nubewo ◆sQkYhVdKvM[saga sage]
2012/02/25(土) 00:51:22.19 ID:c9ryZsRCo
眠い目を擦りながら、上条はどうやら今は二時間目が終わったところの休み時間らしいと、辺りを見渡して確認する。

「ふぁ……」

一時間目がさんざんだったおかげで、二時間目から疲労の極致だ。
物言いたげな青髪ピアスの視線が授業中もずっと刺さり続けていたおかげで、今となってはほとんど気にならず、スルーできるようになった。
体をほぐすついでに、秋晴れの空を眺めて、振り向き様にすこしだけ姫神を視界に納める。こちらに背を向けているから、表情は分からなかった。

「カミやん」
「……」
「カミやん! 無視する気ならいくらでも声かけるよ?」
「なんだよ。さっきの話にはもう乗らないぞ」
「今日のお昼はどうするんかを聞きたかったんやけど」
「あー、まあいつもどおりだ」

上条は毎日青髪たちと食事を共にするわけではない。
違う友達とつるんだりもするし、今週に限っては吹寄と二人きりで食べることが多かった。

「そうなんや。ええね、姫神さんと二人でお昼とか」
「……」

反論するのも面倒で無視を決め込んだが、なんだか青髪の態度がいつもと違って弱っているというか、諦念が混じっていた。

「土御門君は舞夏ちゃんとで、カミやんは姫神さん、か」
「お、おい。カミやんとセットで俺に疑いをかけるな」
「なんか吹寄さんも誰かと付き合ってるって噂らしいし」
「へっ?」

要はカップル数が多くてへこんでいたらしいのだが、最後の一言には聞き逃せない名前が含まれていた。

「吹寄って、そういう噂あるのかよ」
「カミやんは関係ないやろ。もう相手いんのに」
「そういうのは今は良いだろ。気になるだろ、その、あの吹寄の話だし」
「あの、って。カミやんがどう評価してるんかは知らんけど、吹寄さんってモテるほうやと思うけど。
 噂では、大覇星祭の実行委員つながりで上の学年の先輩と急接近したって話しやったかな」
「その先輩って誰だよ」
「そこまでは知らへんわ。でも吹寄さんのは情報が少ないし、まだ噂の域を越えへんような気はするね。
 なんか、学校の中で逢引してるって情報があって、相手は誰かって予想したら実行委員がらみかなっていう流れやったはず」
「ふーん」

ばれないように、こっそり上条は安心のため息をついた。まず確実に、その相手は自分だ。
長時間の休みはほぼ毎回吹寄を拘束しているので、浮気を疑う余地は少ない。
それにまあ、あそこまで吹寄にさせている男子が自分以外にいるとも思えないし。


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