過去ログ - 吹寄「上条。その……吸って、くれない?」
1- 20
947:nubewo ◆sQkYhVdKvM[saga sage]
2012/02/25(土) 00:52:16.60 ID:c9ryZsRCo

「なあカミやん」
「なんだよ?」
「やっぱ二人っきりのときの姫神さんって、可愛いん?」
「……はあ。知らねぇっつの」

そんなことを聞いてどうするというのだろうか。
別に答えがイエスでもノーでも、青髪に関係ないのは確実なんだし。

「姫神さんってやっぱ、あの薬に引っかかってるん?」
「知らねーよ。仮に知ってても、何でお前に言うんだよ」
「別に僕も本気で聴きたいって訳じゃあないんやけど」
「じゃあなんで俺に声かけるんだよ」
「そうでもしんとやってられへんからね」

はぁ、と面白くなさそうなため息をついて、青髪は机に突っ伏す。
これで話は終わりかとほっとしながら、上条も頬に手を付いて辺りを眺めた。
そんな窓際での男子のやり取りを、遠巻きに見ながらクラスの女子が姫神に話しかけた。

「あ、上条君がこっち見た」
「……」
「姫神ー。ちょっと反応したでしょ」
「別に。してないよ」
「まあそりゃそうか。教室内で見つめられるくらい今更だよね」
「……何回。否定すれば信じてくれるの?」
「はぐらかさなくって良いって。上条君が昼休みはたいていどこかに行ってるってのは事実みたいだし、姫神も最近フラフラしてたじゃん」
「別に。私は友達と別の場所で食べたりしてただけ」
「上条君にも聞けばそう答えるんだろうけどね。でも姫神よかったじゃん。上条君が一人の女の子に絞るって意外だったけど」
「上条君は。別にそういう軽薄な人じゃないと思う」
「あ、ごめん。なんか色んなトコで女の子と仲良くなるって噂があったからさ。彼氏の悪口とか聞かされたくないよね」
「だから。私と上条君はそういうのじゃない」
「……なんでそんなに否定するの?」
「なんでって。私は事実を言っているだけ」
「んー。でもそうなると、たぶん上条君には他に彼女がいるんじゃないかってことになるよねー」
「もうその辺にしといたら?」

いい加減、聞き続けるのも不愉快だった。姫神とクラスメイトの会話を遮るように、吹寄は声をかけた。

「なんかあたしの噂もされてるみたいだけど。本人のいる教室ではやめときなさいよ。せめて」
「あー、ゴメン。そういうの吹寄嫌いだもんね」

それこそが自然な姿とばかりに一人歩きをする噂話が嫌いなのもあるが、勿論理由はそれだけじゃない。
そして、その理由を説明をすることも憚られる現状に、吹寄は苛立っていた。
昼休みには、上条にその不満をぶつけてやる、そんなつもりで吹寄はいた。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/483.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice