2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/16(土) 02:36:56.15 ID:RoU1LS4DO
「はい、上条ちゃんになぜかお誘いがきてるんですよー」
と言う、目の前のロリ教師の手には一枚のプリント。
進路希望と書かれたその紙には書くべき箇所は空白で、答えを出しあぐねていた結果だ。
実際、進路と言われても高校一年の冬でまだまだ考えた事もなかった。
いや、考えなければならない時期なのかもしれない。
しかしこの右手が持つ『幻想殺し』のおかげで学園都市の成績とも言える能力は発現しようがないし、そうするとここで働くともなるとどうしても範囲は狭められてしまう。
進学──
あの両親に頼み込めば進学はさせてもらえるのだろう。
しかし行った所でこの学園都市では学ぶ事は主に能力開発。
この学園都市では働くにせよ、学ぶにせよまずは能力というものが先行してしまう。
──うーん……。
つまりは能力が発現『しようにない』自分──上条当麻にとって進路を考える事はとても難しいものであった。
それに、上条にはつい最近までの記憶がない。
内緒で(目の前の教師は知っているが)同居しているある銀髪少女を助ける際に『思い出』の記憶を失った。
今まで生きてきた思い出がすべてなくなり、両親の顔も声も知らないという状態に陥った事があった。
記憶をなくしてから何回か会っていた為、今では顔も分かるのだが共に生活した記憶はない。
つまり上条にとって、確かにあの二人が両親ではあるのだが、ほとんど『他人』。
進学という事はそれ相応の金額が飛んでしまう。
日頃貧乏生活を送っている上条だからこそ、気分的に進学は遠慮してしまうのだった。
そこで目の前の教師──小萌からの口から飛んできた言葉はそれだった。
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