過去ログ - かがみ達は深い霧に囚われたようです
1- 20
262:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:11:58.75 ID:JcSAnYVQo

 言うが早いか、彼女は浴室へ消えていった。
峰岸も弾かれたように動いて、寝た子を起こすことを厭わないように仮眠室の扉を開けば、私も駆け足で通用口へ向かった。

 ぼんやりと非常灯の色をした通路は狭く、人影はない。
以下略



263:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:13:33.70 ID:JcSAnYVQo

「……マスターキーが、ない……」

 キーボックスに二つあったマスターキー、そのうちの一つはみゆきが持っている。
もう一つは、私とみゆきが部屋を出るときには確かにそこにあった。
以下略



264:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:18:01.01 ID:JcSAnYVQo

「それなら大丈夫なんじゃねーの?」

 日下部の言葉は、とみに明るい。

以下略



265:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:18:41.81 ID:JcSAnYVQo


 私も同じだ。
もう、二人が無事でいるって思ってしまっている。

以下略



266:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:21:00.43 ID:JcSAnYVQo

「……じゃあキッチンから、探しに行きましょ」

 二人が誰にも何も言わずにキッチンに行くだろうか。
こんな状況で疲れた私達を早朝から起こしたくなかった?
以下略



267:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:21:48.42 ID:JcSAnYVQo

「……みゆき、鍵お願い」

 ……それでも、私達は二人を探すしかない。
ホテル中をくまなく……ホテルの外も。
以下略



268:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:24:43.40 ID:JcSAnYVQo


 ―――大丈夫ですよ、先輩。


以下略



269:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:25:51.73 ID:JcSAnYVQo

「私ならほら、ここにいますから」

 その小すぎる体がゆっくりと、部屋の明かりに照らされていく。
少し袖が余ったピンク色のパジャマに身を包み、いつもは二つ結びの髪が無造作に下りていた。
以下略



270:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:28:46.40 ID:JcSAnYVQo

 その挙動、仕草、振る舞いの全てが、私の体を強張らせる。

「あんたは……なんなの……?」
「やだなあ先輩、私は私じゃないですか」
以下略



271:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:30:19.58 ID:JcSAnYVQo

 私が声を荒げると、『それ』は心底驚いたようなポーズをとってみせた。
ぱっちりつぶらな瞳をいっぱいに広げて、ご丁寧にまばたきの回数まで増やして。
だけどその瞳に、彼女が持っていた優しい色合いは残っていない。
ただ無感情な黒目が私を捉えているだけだ。
以下略



324Res/151.71 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice