過去ログ - かがみ達は深い霧に囚われたようです
1- 20
269:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:25:51.73 ID:JcSAnYVQo

「私ならほら、ここにいますから」

 その小すぎる体がゆっくりと、部屋の明かりに照らされていく。
少し袖が余ったピンク色のパジャマに身を包み、いつもは二つ結びの髪が無造作に下りていた。
以下略



270:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:28:46.40 ID:JcSAnYVQo

 その挙動、仕草、振る舞いの全てが、私の体を強張らせる。

「あんたは……なんなの……?」
「やだなあ先輩、私は私じゃないですか」
以下略



271:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:30:19.58 ID:JcSAnYVQo

 私が声を荒げると、『それ』は心底驚いたようなポーズをとってみせた。
ぱっちりつぶらな瞳をいっぱいに広げて、ご丁寧にまばたきの回数まで増やして。
だけどその瞳に、彼女が持っていた優しい色合いは残っていない。
ただ無感情な黒目が私を捉えているだけだ。
以下略



272:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:30:45.51 ID:JcSAnYVQo

 私の疑問を飲み込んで、その体が溶けて混ざった。
初めのうちは髪色や服の質感を残して、次第にそれらも飲み込まれていって、やがてそれは一つの黒いかたまりになった。
アメーバのようなそのかたまりは、音も立てずに不気味に蠢く。

以下略



273:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:33:14.48 ID:JcSAnYVQo

 それが形を取り戻していく。
子供みたいに小さな足と、まあそのサイズに見合った長さの脚、ご丁寧にもハーフパンツを履いている。
腰から胸にかけてのラインは、だぼっとしたロンTのせいか体の造りのせいか、とにかく女性的な起伏が見当たらない。
手を見れば、やたらと余った袖口からちょこんと指先が覗いていた。
以下略



274:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:34:34.66 ID:JcSAnYVQo

 これが、わずか10秒ほどで行なわれた、その変身についての印象。

 それは悪夢。

以下略



275:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:36:32.00 ID:JcSAnYVQo

 『それ』は、ゆたかちゃんの姿からこなたの姿へと変わり身を遂げた。
今、私の目の前にはこなたの形をした『それ』がいる。

「さあさかがみん、これでわかっていただけたかねー」
以下略



276:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:41:32.35 ID:JcSAnYVQo

「かーがみん。おーい……かがみんやーい」

「……反則よ」
「え、何? もっかい言って?」
以下略



277:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:41:59.78 ID:JcSAnYVQo

「王子様は今、お姫様を助けに向かってるよ」

 そんなことを言いながら、それは再び体を溶かし変質させていく。
ただ、今度のそれは肩から腰までに限られていた。
以下略



278:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/09/07(水) 03:44:16.66 ID:JcSAnYVQo

「……そうやってみなみちゃんを連れ出したってわけ?」
「そゆこと。さすがにもっとちゃんとやったけどねー」

 ゆたかちゃんの体が溶けて、こなたの体に吸収されていく。
以下略



324Res/151.71 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice