過去ログ - 【ポケモンSS】タイトルは決まっている
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94: ◆.Br/vY/Hx.[sage]
2011/08/10(水) 21:34:05.67 ID:xKkqFnBV0

「中々、粋な事をしてくれますね」

 クスッと小さく笑ってノエルが立ち上がる。同時にジルは席についた。

「画面に映っているのは、ニョロゾですね。そうなると答えは、おそらく"れいとうビーム"でしょう」
「正解!」

 即座に答えるノエル。教員も素早く正解と言うがノエルは、ここで座らなかった。

「ただし……」

 他の生徒、そして教員は唖然とした。
 ノエルは正解を導き出したにも関わらず……話を続けた。
 独自の考察、戦闘理論、覚えているであろう他の技、相手との間合いの計算。
 次々と簡単には理解できないような式や意見が飛び出し、言葉を並べて行く。

「……」

 3分ぐらい話続けただろうか? 軽い発表を終えるような感じでノエルが結論を口にする。

「つまり、授業内容的には"れいとうビーム"が有効ですが……
 "さいみんじゅつ"や"マッドショット"等を考慮すると、より威力の高い"ふぶき"の方が有効な場合もあります」

 静寂が走った。
 
「そ、その通りだ!! す、凄いなノエル君……はははっ」

 理解がやっとおいついたのか少しの間を置いて教員は焦るようにまとめだす。
 無意識なのか〜君付けになっている点からもその焦り具合が良く分かる。

「分かりましたか?……えっと、ジル=ルーク君」

 クスクスッと笑みを見せノエルはジルの方を向いて言葉を漏らす。
 気のせいか教室中から微かな笑い声が聞こえたような気がした……
 それはおそらく、この状態に持って行ったジルの不甲斐なさを笑うものだろう。

「よーし、座っていいぞ」
「はい」

 教室内からは自然と拍手のようなものが湧きあがった。
 少し照れくさそうに小さく頭を下げてゆっくりと腰掛けるノエル。

「……」

 ジルは無言だった。
 目を大きく開けてノエルでは無い一点を見つめていた。
 ピカチュウが素早く肩に飛び乗ってジルの頭をポンポンと叩いた。

「あらあら、格好悪いことですわ」

 唇を噛みしめるジルに対してルリカが嘲笑うように口にした。

「さ、さすがだぜ!!」

 怒っているのかと思えたが
 少し嬉しそうにジルが小声で呟いた。


―――

「よーし、とりあえず! シズクを起こしてやれ!」

 授業が終わるには少し時間があるが、教員がそのように指示を出す。

「先生は空気が読めるから……今日は少し早く終わって! 次の授業の準備をしようじゃないかぁ!」

 生徒達が嬉しそうにガヤガヤとざわつく。
 まだ廊下には報道の人間が多くいるようで、授業の終わりの合図と共にノエルは教員に呼び出された。
 教室の扉が開くなり数々のフラッシュの光やマイクが彼に向けられたのは想像するまでもない。

「……ぁれ? もう授業終わったの?」

 ムクッと頭を上げて起き上がるシズクであった……



続く…


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