過去ログ - 【ポケモンSS】タイトルは決まっている
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◆.Br/vY/Hx.
[sage]
2011/08/10(水) 21:33:29.22 ID:xKkqFnBV0
第21話
(冷たい)
握手に差し出された手は今まで氷でも掴んでいたかのように冷たかった。
優等生が急にダメダメと噂のシズクに近づいた事で他の生徒がざわつく……
教員がそれを沈め授業に入った。
「今日は、技の有効範囲について説明するぞー」
―――
4人が座ると余裕を感じさせない、教室後方の長い机。
気付かって横にずれたルリカ、同様に一人が入れるようにジルとシズクは横にずれる。
そして、頭を一つ下げてそこにノエルが腰掛けた。
ルリカは何も気にしない感じで坦々と授業内容をノートにまとめていく。
ジルは、ノエルの事が少し気に掛るのか、いつものノートパソコンも出さず漠然と授業を聞いているだけである。
「zzZZ」
いつも通りだった。
授業が開始するや否や腕に頭を埋めて前のめりに眠り出すシズク。
ノートをとるどころか授業を聞く気のない様子にノエルは一瞬驚いた感じを見せるがすぐに笑みを見せる。
「面白いだろ? ほとんどの授業をこうやって寝てるんだぜ?」
軽くアクビをしながらジルがノエルに聞こえるように口にする。
ノエルも手ぶらで筆記用具のようなものは一切持っていない……
確かに、すでに卒業資格を持つノエルにとって授業など集中するに値しないものなのかもしれない。
「天才肌というやつですね」
また一本線を引いたような細い目で笑みを見せ小さく頷いた。
"天才肌"その言葉にジルの耳がピクッと反応を見せる。
(こいつもシズクの"特別な"何かに惹かれたのか?)
自分は何気なく近づいた。
しかし、次いでルリカ……そして、ノエル。
ジルはシズクには何かしら人を引きつける特別なものがあるのだと納得した。
―――
授業は進みスライドに色々なポケモンやバトルフィールドの状況等が記される。
「さぁ、状況はこの通りだとして……有効な技は何か分かるか?」
投げかけるように教員が問いかける。
いつの時代の授業風景も同じで生徒の反応は薄いものだ。
「ん? どうした? ピカチュウ」
少し狭い中、ジルの膝の上に乗っているピカチュウが状況を察してか
いつしかのシャドーボクシングのように手をシュッシュと交互に前に出してワンツーを見せる。
少し鋭い目つきで、その視線の先には隣の隣に座るノエルの姿があった。
「ふーん、良いね」
その様子を見て何かを察するジル。
スッと静かに手を挙げ教員の注意をひく。
「おっ、珍しいな! ジル=ルーク、答えてみなさい」
その挙手が目に入ったのか教員は嬉しそうにジルを指差した。
するとジルはピカチュウを机の上に置いて静かに立ち上がった。
「先生、俺じゃー分からないんで……ここは"優等生"のノエル君に説明を貰おうかなと」
似合わない笑みを見せる。
その言葉に自然と教室中の生徒の注目が集まる。
「おっ? そうか!? それなら、ノエル……答えてみるか?」
ノリの良い教員でジルの言った通りノエルにその矛先を向けた。
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