125:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/08/01(月) 21:08:46.01 ID:EV8HfC7I0
和・回想
カントー出発・一週間前
『ねえ、和ちゃん。なにか、悩んでいるの?』
『え?どうして?』
『だって、何か考えてるような顔をしてたから』
『別にないわ』
『私じゃ、力になれないけど相談に乗るよ』
『だから、何もないわよ。憂は私よりも、唯の心配をしなさいよ。普段から、ボーっとしてるんだし』
『ははは。お姉ちゃんのことも心配だけど、今は和ちゃんの方が心配だよ』
『私は何も問題ないわ』
『でも……』
『うるさい!』
『ビクッ』
『何も知らないくせに……』
『ご、ごめんね。怒らないでよ』
『……あなたには唯がいるわ。唯を大切にしてればいいの』
『お、お姉ちゃんも大切だけど、それと同じくらい、和ちゃんのことも心配だよ。だって、私は……』
『もう、それ以上、しゃべらなくていいわ』
『でも、和ちゃんはもう、カントーに行くんだし、せめて、私の気持ちくらい……』
『……憂だけには教えてあげるわ。私はロケット団に入りにカントーに行くの』
『……え、どうして?』
『どうして?別に理由はないわ』
『もしかして、家の借金のためとか……』
『……』
『そうなの?そうだよね。和ちゃんはポケモンを悪巧みに利用なんかできないよね』
『……いろいろなポケモンを実験できるからよ』
『へ?』
『私も科学者の娘だからね。いろいろなポケモンを自由に実験できる、ロケット団に入るの』
『そ、そんな……』
『だから、私のことは忘れなさい』
私は席を立つ。
『……嘘だよね、和ちゃん』
憂の泣きそうな声を聞きながら、その場を去っていく。
今のやり取りで昔のことを思い出してしまった。まったく、なんて日よ。それにしても、私は憂を傷つけ、そして、今までたくさんのポケモンを傷つけてきたんだ。そんな、私にポケモンバトルを楽しむ権利なんかないんだ。
433Res/516.20 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。