過去ログ - ガンダムSEED二次創作
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23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage saga]
2011/07/24(日) 15:29:45.86 ID:vQiMXLLI0
「くそっ! 四機も! ……ストライクは!?」

 カメラを工場区へと向けるその動作の合間、デュエルゼロのカメラは、瓦礫の合間を縫って走り行く人影を見つけ出した。
 ついさっき見かけたその姿を、簡単に忘れるわけはない。先ほど工場区への道を尋ねたゼミの少年達四人が、惑うように崩れた街路を走っていた。

「まずいな、シェルターを見つけられなかったのか?」

 どうにかして彼らを保護しつつ、ストライクも確保しなければならない。
 どちらを優先すべきか迷うシグを嘲笑うかのように、コクピットに衝撃が走った。

「なんなんだよ!」

 機体図を呼び出す。被弾箇所はコクピット付近の腰部、どうやら76mm弾が掠ったらしい。
 ゼミの少年達から視線を外したシグが目にしたのは、マシンガンを構えこちらに狙いをつける『ジン』の姿だった。

「ジン……狙いは俺か!」

 だったら相手をしてやる! 
 先ほどイージスを狙うも弾かれたビームダガーを拾い上げ、デュエルゼロは構えを見せる。
 相手のジンも同様に、デュエルゼロに迫りながらサーベルを振り上げた。

「こんにゃろうっ!」

 サーベルを、ビームダガーで受け止める。少々無茶があるが、無茶は承知の上だ!
 押し返すことも、押し返されることもない、拮抗状態。少しでも力を抜けば真っ二つだ。
 このままではストライクどころか自分の命すら危うい。いよいよもって終わりなのかと思い始めたシグの弱気を吹き飛ばすが如く、若い女性の声がコクピット内に響いた。

「こちら地球連合軍マリュー・ラミアス大尉! ストライクにて援護します!」
「こちらはシグ・メイザース少尉! 助かります、大尉!」

 工場区から颯爽と現われたのは、赤、青、白のトリコロールカラーに彩られたGATシリーズの集大成――ストライク。
 ストライクからの通信にシグは安堵する。ストライクは連合側が起動した。ザフトに付け入る隙はない。
 流石に二機相手では分が悪いと思ったのか、ジンが搬出口へと退いていく。
 臍を噛む思いでそれを見送りながら、シグは溜息を吐いた。これでなんとか……。
 開かれたままの通信回線に向かい、言葉を発する。

「アークエンジェルが無事なら鉱山区にあるはずですね、ラミアス大尉」
「ええ……」

 妙に歯切れの悪い回答に、シグは怪訝な顔を見せた。
 それを知ってか知らずか、回線の向こうでは聞き覚えのある少年の声が響く。

「こんなお粗末なOSで戦闘なんて……!」
「……あれ?」

 その声は、ついさっきまで非常通路を共に走り抜けた少年、その人の物に他ならなかった。


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