過去ログ - ダイブ イン ダンジョン
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24: ◆Q6CGh0.8HA[saga]
2011/07/26(火) 22:22:19.28 ID:bXKN1DVSO
宿は確かに私が取った宿だった。もう連れ去られたとは思っていなかったが一応の確認だ。

そうして、また一つ彼への小さな信頼を勝手に積み重ねた私は、まだ太陽の登らぬ町へと足を進めたのだった。

浅ましくも、その主な目的は食べれるナマモノは転がってないか。

まずは腹ごしらえが基本にして頂点。お腹一杯に食べるつもりはなく、せめて思考の邪魔にならない程度に胃を満たそうと思っていた。

勿論、私とてそれが如何に変な行為かは自覚している。人目がないからの大胆さなのだ。

「勇者ちゃん、随分早いんだねぇ」

そんな賤しい私を待ち構えていたのは、済み渡った朝の爽涼な空気に似合わぬ攻撃的な煙草の煙と大柄の男。

眼の下に隈が入り、昨日より悪人面が輝いている。

「なっ、なななななっ、なっなっな?なっ!なぁっ!?」

「そんな、な、ばかり言われたって分からねぇよ」

うわっ、本当に笑い方だけは子供のように幸せに満ちたものだ。特技なのか、ソレは。

……ではなくて!

「何故に!なにゆえ!何でアナタが此処にっ!?」

「待ってるって言った筈だが」

違う。答えになっていない。いや、答えではあるのだけれでも答えじゃない。

早い。早すぎる。

もしや、この都会に染まり切った男にも農家の倅をしていた時期が在ったりするというのか。

「いや、実は緊張して眠れなくてさ。そわそわし過ぎて夜中からずっと待ってたのよ。笑えるだろ」
そんなワケないか。


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