過去ログ - ダイブ イン ダンジョン
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27: ◆Q6CGh0.8HA[saga]
2011/07/26(火) 22:29:49.99 ID:bXKN1DVSO
「ぜぜぜ是非!是非そうしましょう!良いですよね、お酒っ!」
私が好意という名のその葦を必死に胸元まで手繰り寄せて、噛み付くようにしがみ付いたのは論ずるまでもない。
「じゃ、俺は酒やらなんやら取ってくる。少し待たせることになるからコレやるわ」
彼はそんなことを言い、ウエストのポーチから取り出した厚地のクッキー数枚を私に握らせて去って行った。
闇の奥に消える前に全部食べて良いからー、と要らぬ優しさも添えて。
彼の善意に乗っかったのは私だ。だが、このようなオチを付けられると少し悔しく恨めしい。
餌は欲しいが人が怖くて近寄れない子猿の為に、食べ物を置いたらさっさと去るという構図まんまではないか。
だが、此処でつまらない意地を張るのもどうかと思い、ため息ながらにクッキーを頬張る。
しっとりサクサクで、茶葉を入れてあるのか深みのある良い香りがした。
あ、コレは美味い……。
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