10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/07/24(日) 16:36:00.36 ID:cCeqzXxK0
そのエンジンも襲撃者によって既に壊されていた。
ほむらが中身のプラグコードを持ち上げると、切断されたコードの切れ端が顕になる。
(エンジンが壊れているだけ。問題ない)
ほむらはボンネットを閉じ、車のドアを開けると、運転席には乗らずに、開けたドアをそのまま力任せに押し始めた。
力で押された車がゆっくりとタイヤを回し、進み始める。
ほむらはそのまま、車を道路の下り坂にまで運んだ。
下り坂に到達した車が一気に下り始めた。それと同時にほむらが車の運転席に乗り込み、ハンドルを握る。
その重力を利用した車の運転で、まどかが連れ去られたキャデラックの車を追う。
キャデラックの車を運転していた杏子が、急な下り坂を先回りして下ってくるほむらの
運転を見て呟いた。
「おい、追ってくるぞあのバカ」
坂を真っ逆さまに落ちながら、ハンドルを必死に操作して追いかけるほむらをバカと呼び、
杏子はまた言った。
「まだ追いかけてきやがる。ぶつける気だぞ」
ポッキーを咥えながら杏子がそう呟いたあとで、ほむらの車は急激な降下に耐え切れずついに派手に横転して炎上した。
「けほ…けほ!」車の爆破から辛くも脱出したほむらは、砂埃だらけの身体を起こす。
手に再びマシンガンを取り出し、引き金をひいてキャデラックにむけて銃弾をぶっ放そうとしたが、その瞬間。
後ろから何者かに、何か細長く固いものに力強く首の後ろを打たれた。
「うっ!?」視界がぐらつき、身体が脆くも倒れこむ。
うつぶせに倒れこんだ体を翻し、起き上がろうとしたが。
そのアゴ先に、マスケットの銃口が突きつけられた。ほむらの動きがそこでピタと止まる。
マイケット銃を自分に突きつけていたのは、つい先日魔女に喰われてしまったはずの、巴マミだった。
ほむらは、驚いたように目で見上げると口を開いて言った。「巴マミ!?アナタ、殺されたんじゃ……」
「残念だったわね。トリックを使ったのよ」
得意そうな金色の瞳でほむらを見下ろしたまま、目と同じ色をした金髪の巻き毛の少女───
巴マミが、マスケット銃をほむらに突きつけたまま、言った。
「前にも言ったわよね?話し合いだけで済むのは、あの時が最後だって」
と、マミは話す。「その言いつけを守らなかった罰がコレよ」
いい終えるのと同時に、マスケット銃の最後の一発が、放たれた。
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