6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/07/24(日) 16:28:24.83 ID:cCeqzXxK0
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さてゴミ収集車の作業員を装った彼女は、名前を佐倉杏子といったが、今では普段着に着替えていた。
ゴミ収集は彼女の本業ではなく、ある計画を進めるための変装だった。
そしてその計画の手始めとして、鹿目まどかの父を暗に殺してしまったのだった。
その杏子はいま、車のショップに足を運び、店員から商品の車の説明を受けている。
「車はアメリカで生まれました。日本の発明品じゃありません。わが国のオリジナルです。
しばし遅れをとりましたが、今や巻き返しの時です。」
「キャデラックは好きだな」杏子が言った。
「キャディーがお好き!?結構、ではますます気に入りますよ!さあさどうぞ」
店員がはきはき言いながら、杏子を車の運転席にドアを開けて案内する。
「キャディーのニューモデルです。」
杏子が運転席に座ると、店員がすかさず言う。「快適でしょう?」
車の窓から顔をのぞかせ、話し続ける。
「んぁあ!仰らないで。シートがビニール。でもレザーなんて見かけだけで、夏は暑いし、よく滑るわ、
すぐヒビ割れるわ、ろくなことはない。天井もたっぷりありますよ。どんな長身の方でも大丈夫!
どうぞ回してみてください」
店員に促されて杏子はキーを回すと車にエンジンをかける。
「いい音でしょう?余裕の音だ、馬力が違いますよ!」
自信たっぷりに語りかける店員にむかって、杏子が車のハンドルを握ると、問いかけた。
「なぁアンタ、アタシが一番気に入ったものが何かわかるか?」
店員が訊いた。「なんです?」
口にポッキーを咥え、店員にむかってニッと笑ってみせると、杏子は答えた。「値段だよ」
杏子は店内で車をバックさせた。ハンドルを操作すると、店のショーウィンドーにむかって
発進させはじめる。
「あぁちょっと、何を!?ああ待って、ここで動かしちゃダメですよ!」
慌てふためいた店員が車の前に立ちはだかり、制止しようとするのも構わず、杏子は店のショーウィンドウを
突き破ってガラス越しに店の外に出た。
「待って、止まれ!うわあああ」
身体を張った制止も効かず店員は杏子の運転する車に跳ね飛ばされ、砕け散ったカラスと一緒に
道路に投げだされ、血まみれになって横たわり気絶してしまった。
何食わぬ顔で町の路上へ車を走行させた杏子が、また満足げにニッと笑った。
「いっちょお買い上げっと♪」
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