150: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/05(金) 08:55:28.50 ID:4IO9WEvBo
「まあ、こいつに緊張しろって言う方が無理があるじゃん」
「いや、お前が変わりすぎなンだろォが。なンだあのぶりっこはよォ?
つゥか黄泉川、お前は余計な口出しすンじゃねェ」
「……わたしだって、好きであんなのしてるわけじゃないんだもん」
一方通行の歯に衣着せぬ物言いに、久慈川はむくれて言い返す。
そんな久慈川を見た黄泉川は、やっぱり色々抱え込んでるんだろうなーとか思ったりするが、
一方通行がそれを受け止めてくれないかなとか、そんな場違いな期待を一方通行に抱いていた。
「……嫌なら止めりゃ良いんじゃねェのかァ?」
「……それが出来たら、どんなに良い事か」
「……違いねェな」
嫌なら止めたらいい。それが出来ればどんなに良い事か。
一方通行も久慈川の言う事は良くわかる。
内容は違うが、嫌な事を止められなかった人間だから。嫌な事をそれでもやり続けた人間だから。
自分の為だけに行動しきれなかった人間の末路。それが一方通行だ。
久慈川もまた、同じなのだろう。
周りの期待に、押されて、推されて、圧されて。
きっと圧し潰されているのだろう。
だからこそ苦しむ。
理想の自分と、現実の自分との差を見て。
理想の自分を演じ続ける道化。それが久慈川りせの今の姿だった。
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