184: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/09(火) 05:12:07.77 ID:wCXd1NCbo
野口さんを1人受け取ったインデックスは、
宣言通りお腹いっぱいになるにはどうしたらいいか考えながら、街を歩いていた。
気を抜くと、ソースやら何かを焼いている匂いやらが漂う屋台ゾーンに足を向けようとしてしまうインデックスだが、何と我慢している。
自身の食欲を封じてまで何をしているのかと言うと、記憶を遡っていた。
過去に見た学園都市の光景を全て、一切合切を脳裏に巡らせ、思いだしていく。
実を言うと、インデックスは完全記憶能力者である。
超記憶症候群だとかサヴァン症候群だとか言われる事もあるが、
兎にも角にも一度見た物は忘れないと言う能力の持ち主だ。
それが意味する事は、一つ。
(街中で見かけた食べ物の金額は把握してるかも)
自然と食べ物の匂いがする方向に目の行くインデックスは、
それらの値段を十全に覚えているのだった。
しかし、1000円と言う値段。
普通の食事処に行っていては満腹になれるはずが無い。
だからと言ってスーパーに行ってもやし三昧は何だか違う気がする。
と言うか、インデックスの家事スキルは0なので、安い材料を買い込むと言う手段はありえない。
(あれ!?美味しくお腹いっぱいになれそうな値段の食べ物がないかも!?)
残念な事に完全記憶を使ったところで、それを応用する事の出来ないインデックスである。
何も考えず勢いで勝負を挑んだインデックスだったが、
1000円と言う値段がこの程度の物だったと考えが回っていなかったようだ。
完全記憶能力も全くの無駄だった。
(こうなったら、自分の足でまだ見ぬ楽園(お腹いっぱいご飯食べられる場所)を探すしかないかも!!)
決意に満ち満ちた表情を浮かべるインデックスは、
一般客がごった返す屋台ゾーンの中へと吸い込まれるように消えて行った。
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