25: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/07/29(金) 22:57:43.76 ID:kQbivQgpo
「うん?君も学園都市の人間のくせに、もう一つの学園都市の事を知らないのかい?」
遊園地はまだしも、学園都市は僕ですら知っているというのに、
とやや馬鹿にした口調で上条の質問に答えるステイル=マグヌス。
記憶喪失の上条にそれを求めるのはどうかと思うが、そもそもその事実を知らないのだから仕方が無い。
上条はステイルの口調にムッとするが、そこで反応しても話は進まないと気を静め、言葉を紡ぐ。
「オルソラってのと、その白髪はもう一つの学園都市に居るってことだな?」
「ああ、その通りだよ。……ある意味、君達の学園都市より手出しが難しい場所さ」
「何でだ?こっちほど警備が厳しいとこは無いだろ」
上条の住まう科学の街程、閉鎖的な場所は無い。
閉鎖的と言う事はそれだけ外部からの侵入には気を使っていると言う事だ。
「そうだね、君達の街は侵入は難しいし、対してあちらの学園都市……ややこしいな、『桐条グループ』と呼ぶ事にしようか。
学園都市そのものよりも、この桐条グループが厄介なのだから。
確かに、その桐条グループの方は、君が言う通り学園都市と比べて侵入自体は容易だよ」
ならどうして、と言う上条の声を聞くまでも無く、ステイルは続ける。
「学園都市は何だかんだ言って軍事力・科学力共に世界一と言って良いだろう。
だが、その軍事力は殆ど学園都市内に集中している。
逆に桐条グループの方は、宗家である南条グループと共に世界中に展開している巨大企業だ。
これに手を出す、と言う事は世界中に点在している桐条・南条を敵に回すと言う事なんだ。
さて、桐条グループと一言に言っても、それが着手している分野は数える事が億劫になる程の分野にわたって企業を展開している。
……ここまで言えば分かるだろう?」
「つまり、手出しをしたら物資の供給だとか、資金の供給だとか、
そう言った面で多大な被害を出す恐れがあるって事か?」
「まあ、そんな感じだね。ついでに言えば南条・桐条のいずれかもしくは双方に世話になっている組織すら敵に回すと言う事だ。
数の暴力は1の才能よりも恐ろしいよ」
本当に厄介な場所に潜り込んでくれたものだ、と吐き捨てるように呟くステイル。
しかし、上条の思考はそんなところには無かった。
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