269: ◆DAbxBtgEsc[saga sage]
2011/08/14(日) 03:20:36.94 ID:xlKYvBbQo
「なァ、あの金髪に会ったら一つ伝言頼むわ」
「あぁ、いいぜ。何伝えりゃいいんだ?」
「『お前の作戦崩した事で満足なので、お礼は要りませェン』って」
「プッ、なんだそりゃ。まあいいや、承ったぜ」
そう言って上条も立ち去ろうとするのだが、インデックスがそれを引きとめた。
「とーま……」
「……インデックス、隠してた事は悪かった。だけどな、もう一度あいつに会わなくちゃならねえ。
何だってこんな下らねえ事に加担したのか、納得のいく回答を聞けなきゃ、
もう一発殴る事だって辞さねえつもりだ」
グッ、と拳を握りしめ、決意表明をする上条。
しかし女性を殴る決意をするとは、最低だと思うがそれはさておき。
やはり単身魔術師の元に向かわせる事が躊躇われるのだろう。
しかし、自分がついて行く選択肢を取る事も、躊躇われた。
何せ目の前には自分のせいで傷ついた一方通行がいるのだから。
「……はァ、着いて行きてェンなら、行ってこいよ。俺は動けるからよォ」
「でも……」
「上条なら守ってくれンだろォ?今までだってそうして来たはずだァ。
だったら、安心して守られてろよ。そンでオリアナの出す魔術に関して、
アドバイスの一つでも出来れば上等だな。飯1食分くれェには値するぜ」
「……うん、わかった!とーま、私も着いて行くからね!!」
一方通行とインデックスのやり取りを見ながら、上条は溜息をついた。
既にインデックスを巻き込んでしまっているが、
これ以上巻き込んで外の連中が余計に騒がないか、それが気がかりらしい。
「……まぁ、その辺は何とかするか、ステイルが」
上条は考えた末に、ステイルに丸投げする。
行くぞ、インデックス。という言葉を聞いて、インデックスは嬉しそうに上条と共に駆けだしたのだった。
「やっと行きやがったか優柔不断コンビが……」
軽く嘆息をつきながらその場に座り込む一方通行。
しかし、まだすべきことは残っていた。
「……それで、私達はいつまで蚊帳の外なの?」
「そうですよ、先生、まだお話は始まってすら居なかったのに皆居なくなっちゃいました……」
「一生……蚊帳の外に居ろォ」
フラリ、と一方通行は立ちあがると、病院に向かう為かゆったりと歩きだした。
あの3人の前では気丈に振舞っていたが、相当に限界が来ていたのだろう。
おぼつかない足取りに、久慈川と小萌先生は慌てて一方通行を支えるのだった。
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