293:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/08/15(月) 09:15:00.19 ID:BjnNGAqgo
「全く、何なんだあの男は……」
ステイルは不快そうな顔を浮かべ、口から煙を吐いた。タバコの味も二割減だな、と煙と同時に愚痴も吐く。
あの値踏みするような視線に、悪意と狂気を滅茶苦茶にかき混ぜたかのような目。
有能でも信用出来る人間とは思えなかった。
「まぁ、任務さえこなしてくれればこちらとしても文句は無いのだが……」
何かを隠している。
いや、むしろあのような人間が上の言う事を素直に聞いて行動するとは思えない。
飽くまでも自分本位で自分の為だけに部隊を動かす、そんな人間であると、そう考えた。
何より「この戦場を用意してくれた」という発言。
皮肉のようにも取れるが……と言うより最初は皮肉かとステイルは思ったのだが、
これが皮肉ではなく額面通りの意味だと捉えると、
戦場を用意してくれた事に感謝していると考えてもいいだろう。
何故戦場等に感謝をするのか?
戦闘中毒かと問われれば、違う気がする。
なら、何故か。
ステイルは知らない。木原が研究者であることを。
故に気付けない。これも実験の過程に過ぎないと言う事を。
ステイルは1人、思考の渦に呑まれながらも『使徒十字』騒動の事後処理に関して思いを馳せたのだった。
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