32: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/07/29(金) 23:06:11.56 ID:kQbivQgpo
・・・
「で、俺の目的はあっという間に達成されちまった訳だが」
ホテルの一室、眞宵堂で「買い物をした」と言う名目を作る為、
何となく買った十字架のアクセサリーをゆらゆらと揺らしながら、
お前はこれからどォする?と言う視線をオルソラ=アクィナスに送る。
テレビの中に誰かが放り込まれる事態があれば、すぐにでも戻らねばならないのだが、
幸い今のところそのような事は起きていない。
そんな訳で、1週間と言う期間の内まだ2日しか経っていない状況をどうしたものかと考えているわけだが。
「……その十字架」
不意に、オルソラが呟く。
「あン?欲しいのかァ?あの女店主が言うには二束三文にもならねェもンだろォ?」
まァ欲しいってンなら、やる。と、一方通行は十字架を握り手渡そうとするのだが。
「……あの、出来ればそれを、貴方様が私に掛けて頂きたいのでございますが」
「ハァ?」
何故そんな事が必要なのか。
よくわからないが、よくわからない発言をするのは今に始まった事では無い。
とはいえ今のオルソラには、それを為す事が重要であると言った、何か意志めいたものが感じ取れた。
別に減るもンでもねェし。いや、減る減らないの問題でもねェか。とか思いながらも、了承した。
一方通行は溜息をつくと、オルソラの真正面に回り、抱き寄せるように手をオルソラの首周りに回す。
そしてカチリと言う音が鳴ったところで、一方通行は手を離した。
「……よくわかンねェが、これでいいのかァ?」
「はい、ありがとうございます」
オルソラはニコニコと微笑みを浮かべながら、十字架を撫でる。
(別に正面から回る必要無かったな)
正面から掛けろと、変な電波を受信したらしい。
終わった事はもういいや、と言わんばかりに一方通行は思考を打ち切る。
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