420: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/27(土) 21:50:20.90 ID:xDGXGo14o
瞬間。
一方通行の両手が木原へと伸びていった。
(このガキッ……!)
それを見た木原は足を止め勢いが前に前に向かおうとする身体を無理矢理後ろに持って行った。
何とか体勢を整えてバックステップをする。
そうして一息ついた所で一方通行を睨みつけた。
「テメェ、正気か?」
「ハッ、何言ってンだこれくらい屁でもねェよ」
一言で言えば、「止血」を止めた。
更に言えば、足で地面を踏み抜き身体を固定した。殴られても、その場から動かないように。
そうして一方通行は木原を抱擁するように迎え入れようとしたのだ、確実に仕留める為に。
そんな一方通行は濁々と血を流し、服の白地の部分を赤に染めていた。
雨が血を薄めるように降り注ぐが、赤々とした血を洗い流す事は叶わない。
そのままではすぐに血が足らなくなるので一方通行はすぐさま傷口に触れ、血の流れを整える。
とはいえそのような戦い方を続けていればいずれ失血死もありえるだろう。
捨て身の策を捨て身でぶつけてきた一方通行に、木原は楽しげに笑った。
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