720: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/10/13(木) 23:59:45.76 ID:CIoTymloo
(今更死ぬのが怖いって!?馬鹿じゃねぇのか、私は!!)
自分で自分を叱咤する。
(私が今まで何人殺してきたと思ってんだ!!
なのに自分は死にたくない、だなんて馬鹿げてる!!)
そんな都合のいい話があってたまるか、と。
(死を恐れると言う事は、死にたくないと心のどっかで思ってるって事だ!!)
いつどんな死に方をしてもおかしくないと思っていた。覚悟していたつもりだった。
(ってことは詰まる所殺してきた事を心のどっかで後悔してるって事だ!!)
死にたくない、殺されたくないと思う気持ちは今まで誰かを殺してきた事への否定、後悔につながる。
こんなことなら、殺すんじゃなかった、と。
(それだけは許さねぇぞ、麦野沈利!!私はいつどこで野垂れ死んでもおかしくない存在だ!!)
とは言え、潔く死んでやるつもりなど欠片も無いのだが、それでも。
(だったらそいつらの味わってきた『死』の恐怖位受け入れてやるのが礼儀だ!!)
殺されて行った人間達の最期に味わった恐怖。
それを一つに凝縮したのが自分の手の中にある召喚器だと言うのならば。
召喚器を手にした瞬間に目から光が消えそうになったのだが、すぐに光が再び灯る。
ギラリと召喚器を睨みつけるとこめかみに突きつけ、引き鉄を、『死』の手綱を引いた。
実際には鳴らないのが、パンッと乾いた音が麦野の耳に響き渡った。
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