過去ログ - とある仮面の一方通行 そのに
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733: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/10/18(火) 02:21:06.19 ID:W+lugpeco
「はぁ、はぁ……ちょっと休憩……」

 結標淡希は息を整えるように手を胸に当て深呼吸をする。
 額からは汗がダラダラと流れ落ち、見るからに体調が芳しくないと言う事がわかった。

「ちょ、大丈夫?」

 あまりの変貌っぷりに能力について尋ねた布束砥信も語頭に接続詞をつけ忘れてしまう程に結標の様子がおかしい。
 当の結標は頬を伝う汗を一拭いするとげっそりした表情で答える。

「私の能力……昔の実験の心的外傷(トラウマ)が原因で
 自分自身を転移させるとこうなるのよね……」

 昔話をする時間も無いので結標は端的に現状を説明した。
 自身を転移させる恐怖。それを乗り越えない限りこの状態は続くそうだ。

 一応暗部で仕事をするという条件の元、そのトラウマを克服するための研究が為されてはいるものの、
 現状では低周波振動治療器と言う特殊な装置を使用する事で結標の能力使用によるストレスを軽減させる程度にしか研究が進んでおらず、
 とどのつまりトラウマ自体は自分の力で乗り越えるしかないらしい。

「それでもちょっと前と比べたら幾分かマシになったんだけどね……」

 例えば壁越しに見えない場所への転移だと10m先でも辛かったのだが今ではその程度の距離なら何とかなるし、
 更に言えば開けた場所……例えば空の中で転移すると言うのならばかなりの距離を一気に進める。

 つまり結標は最初の転移で上空へ移動すると後は真っすぐ一気に突き進んだ、と言う訳だ。
 とは言え流石に何度も繰り返すと精神的な余裕も無くなるのだろうか、一旦地上に降りたのだが。


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