74: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/07/31(日) 21:25:11.02 ID:KC1gFRQvo
・・・
「まず、ここがどこだか分かっているのか?」
桐条美鶴は、敵も味方も関係無しに、武装している面々に注意をする。
「ここは日本だ。彼女らもそうだし、君達の国ではどうだか知らないが、郷に入っては郷に従え。
銃刀法違反で取り締まる権限は私には無いが、注意くらいはさせてもらうぞ」
「あ、そりゃすまんかったのよな。てっきり何も言わないから持ってていいのかと」
美鶴に言われるがまま、建宮はフランベルジェを放り投げた。
「あ、あんたは誰なんですか!?」
突然自分の部隊を引き連れ現れた女に、言われるがまま武器を捨てる建宮に、アニェーゼ=サンクティスは叫び声をあげた。
自分の部隊が、何でも従順に命令に聞く部隊が、一人の女につき従っている。
あり得ない光景が、そこにはあった。
「ああ、済まない。自己紹介がまだだったね」
チラリと上条当麻やステイル=マグヌスを見やりながら、続ける。
「桐条美鶴、桐条グループ現総帥だ。話は大体聞かせてもらっている。
問題は『オルソラ=アクィナス』の現在の立ち位置と言う事だそうだが……
イギリス清教とローマ正教が協議を終えるまで、僭越ながらこの私が彼女の身元保証人となろう。
つまり、今から彼女に手を出すと言う事は、桐条グループを敵に回すと言う事だ。
何、君達の協議が終わり次第彼女はどちらかへと返還しよう。なんなら、この場で誓約書でも書こうか?」
そう、ローマ正教の部隊が彼女に手を出せなかった理由。
桐条美鶴が、桐条グループの総帥を『名乗っていた』からだ。それも高級リムジンの後部座席から降りて来て。
確かに、これが嘘なら『桐条グループを騙った』として、消しても波風はたたないだろう。
ただ、本物なら?
洒落にならない結果になるだろう。
故に判断を仰がなければならない、『上官』に。
自分で判断する事に慣れていないから。
いや、慣れていたとしてもこれを判断する事は難しいだろう。
桐条美鶴から発せられる威圧感が、総帥としての芽が芽吹いている。
学園都市の郊外とはいえ、桐条グループのお膝元で騒げばこのような事態になってもおかしくは無い。
美鶴の言葉に、アニェーゼの部隊は従わざるを得なかった。
この時点で、誰が一番上に居るのかは、明白。
「さて、今日のところは双方ともに引き下がってはくれないか?
ここの状況は、いつでも君達の本部に伝える事が出来るのだから」
権力って怖い。
上条当麻は、美鶴の言葉に従って武器を捨てる面々を見て、そう思った。
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