過去ログ - ひたぎ「これも、また、戯言よね」
↓ 1- 覧 板 20
44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:33:29.51 ID:ooW4dNWwo
そんな戯言を考えている内に、ひたぎちゃんは話題を変えた。
「ねえ、阿良々木くん。ひとつ訊いていい?どうでもいいことなのだけれど」
「何?」
「月の模様みたいって、どういうこと?」
「え?何の話?」
「言っていたじゃないの。忍野さんに」
「えーっと……」
……うーん……そんな話なんかしてただろうか……
「ほら、蟹のことで、兎にだったり美人にだったりするって話。忘れてしまったの?」
ああ。思い出したけど……
「確かに、そんなはなしをしたけどね……」
「けど、何?」
「……月の模様の方を思い出せない」
「…………阿良々木くんに知識というものを少しでも期待した私が軽率だったわ」
……きみを忘れていた時点で期待など皆無だろうに……
そう言って。
着かけた新しい上着を、再び脱ぎだすひたぎちゃん。
「……もしかして、自慢の肉体を僕に見せびらかしたいだけ?」
「自慢の肉体だなんて、そんなに自惚れていないわ。裏返しで、しかも後ろ前だっただけよ」
無駄に器用なミスだった。
「服を着るのは得意じゃないのよ――重たくって」
そうか、鞄が重いなら、服だってそうだろう。
十倍の重さとなれば、服であれ、馬鹿にならない。
94Res/88.14 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。