過去ログ - ひたぎ「これも、また、戯言よね」
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68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 11:11:58.11 ID:ooW4dNWwo
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しかしそれでも――そうでありながら、ひたぎちゃんは、そのことを、楽になってしまっ
・ ・ ・ ・
たことを、後悔しない日は、一日だって、なかったのだという。
 でも、周囲との不調和からではない。
 友達を作れなかったからでもない。
 全てを失ったからでもない。
 思いを失ったから――それだけだそうだ。
 五人の詐欺師。
 それは、母親の宗教とは関係ないところの五人だったそうだけれど――それでも、忍野
を含めて、半分も信用していないそんな奴らを、半分足らずとはいえ信頼してしまったの
も――それがそのまま、ひたぎちゃんの悔やみを表していると言える。惰性でずっと、病
院に通いつづけたことといい――
 何のことは無い。
 僕は最初から最後まで全く見当はずれだった。
 ひたぎちゃんは重みをなくしてからもずっと。
 何も、諦めず。
 何も、捨てていなかったのだ。
「別に悪いことでもないと思うんだけれどねえ。辛いことがあったら、それに立ち向かわ
なければならないというわけじゃない。立ち向かえば偉いというわけじゃない。嫌なら逃
げ出したって、全然構わないんだ。今回の場合、今更思いを取り戻したところで、何にも
ならないんだから。そうだろう?悩まなくなっていたお嬢ちゃんが、悩むようになるだけ
で、それで母親が帰ってくるわけでも、崩壊した家族が再生するわけでもない」
 何にもならない。



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