過去ログ - 勇者「魔王が勇者一族に呪いを掛けたけど治った」
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◆SHpOT25On.
[saga]
2011/07/30(土) 15:27:52.33 ID:3H0afLp9o
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多腕族の村〜闘技場〜
長「・・・・・・。」
妹「・・・・・・。」
長老「ほっ、悲しそうな顔しおって。いい加減やめんか。我等は多腕族、油断したものが悪いのよ。自然の摂理よ。」
長「・・・まだまだ、長生きできたでは在りませんか。」
長老「しょーがなかろーう。連れをなくして、娘もなくして、儂一人で生きさらばえてきた。それがそもそもおかしかったのよ。」
妹「・・・なんで!!なんでお母さんと一緒で蜘蛛なの!?」
長老「・・・わるかったのう。」
妹「・・・・・・謝らないでよぉ・・・・・・!」
勇者「・・・。」
ザッザ!
長「・・・お前は。」
妹「・・・・・・。」
長老「・・・ほ。怪我は好調のようですの。」
勇者「・・・あなたはどうしました?昨日に比べ、言葉に覇気がない。」
勇者(右腕が、いびつに膨れて真っ青。肩付近がきつく縛られている。)
長老「ほっほっほ、この通りでの。儂はそろそろ死ななきゃいかん。」
勇者「聞けば卵を体内に植えつけられたそうですね。どこにですか?」
長「・・・腰の右側だ。」
勇者「・・・随分小さな穴だ。」
長老「あやつら、卵を飛ばす事ができてのう。時期ではないと、油断していた。」
勇者「・・・その腕は?」
長老「その後、驚いているうちにかまれてしまってのう。もう、感覚もない・・・。」
長老「・・・ふぅ。・・・嫌じゃのう。焼が回るとはこの事よ。」
勇者「・・・村の外へ行きましょう。」
長「なに?」
長老「?」
妹「・・・。」
勇者「私の友人が、外にいます。彼なら・・・」
長老「たわけ。その友人とは心眼族じゃろう。他族の力など借りぬ。」
長「・・・。」
妹「・・・。」
勇者「生きたくはないのですか?」
長老「・・・我等は、儂はな、他族を相手取って戦ってきたのよ。」
長老「殺して、殺された。そんな相手にに助けられるなど、誇りがゆるさんのよ。」
勇者「どうしても、駄目ですか?」
長老「だめじゃのう・・・。そんな事になろうものなら、舌噛み切ってしぬわい・・・。」
長「・・・長老の言うとおりだ。我等は対等なのだ。殺されても、殺しても、不満はない。戦士として本望であれるなら、それでいい。」
勇者「・・・蜘蛛で死ぬのは本望なのか?」
長老「助けられるよりかはいくらかの・・・。」
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